映画『天気の子』あらすじ・結末ネタバレを一挙に公開【鳥肌がとまらない映画!】

▼この記事はこんな内容が書かれています。
1.映画『天気の子』の詳細なあらすじ・ネタバレ結末
2.映画『天気の子』のキャスト紹介
たかりょー
こんにちは、シネコンスタッフ歴5年・年間100作以上映画をみている、ちょ〜映画好きのたかりょーです。

『天気の子』は2019年に公開された奇跡の恋愛映画です。

本作を一言で表すなら「世界の秘密についての物語」です。

当たり前のように調和が保たれている天候。しかしその調和が狂い始める。

そんな時代にうまれた男女が“運命”に翻弄されつつ、自らの生き方を選択しようと懸命に生きる姿が眩しい。

公開から3日で、興行収入16.4億。

総興数は140億6000万円で2019年でナンバーワンに輝いた名作です。

レビューや感想には、ストーリー展開の面白さもさることながら、映像美がすばらしく、歌と一体化しているところが良いというものがたくさんありました。

リピーター数も多く、2、3回見たという人はザラ。

この記事がまだ『天気の子』をまだ見ていない方の参考になれば嬉しいです。

目次

映画『天気の子』簡単なあらすじをご紹介

家出して東京にやって来た高校生森嶋帆高は、祈ると晴れを呼べる少女天野陽菜と出会って「お天気をお届けします」という風変わりな仕事を始めます。

異常気象で雨ばかりになった東京の色々な場所を晴れにして感謝されますが、ある日、その能力には代償がある事を思い知らされます。

失意の穂高は、独りぼっちで残酷な運命を覆そうと奔走します。

果たして、穂高の想いは通じるのでしょうか?穂高と陽菜は世界の何を変えてしまったのでしょうか?

映画『天気の子』あらすじネタバレ詳細

それでは天気の子の詳細のあらすじについて説明していきましょう。

上映時間としては114分(1時間54分)あります。

それをいくつかに分割してお届けしたいと思います。

あらすじ・ネタバレ1 【天と繋がった少女と、孤独な家出少年】

ある病院の一室、天野陽菜はベッドに寝ている母親の手を握っていました。

ふと窓の外に目を向けた陽菜は、土砂降りの中に一筋の光がさしている事に気付きます。その光はビルの屋上にある古びた祠を照らしていました。

取りつかれたように陽菜がその鳥居をくぐると、突然周りの風景が変わってしまいました。地上は足元の遥か下にあり、周りには体が水でできた魚や雲の龍のような不思議な生物が浮遊していました。
あまりに不思議な光景に、陽菜はただなす術もなく浮かんでいました。

「あの夏の日、あの空の上で僕たちは世界の形を永遠に変えてしまったんだ!」

珍しく東京が晴れた日、フェリーに乗っていた16歳の森嶋 帆高はまもなく大雨になるという船内放送を聞いて甲板に出てみます。

予報通り、すぐに大粒雨が降り始めました。穂高は嬉しそうに雨を全身で受けていましたが、突然、大量の水が滝のように空から落ちてきました。

船体は傾き、足を滑らせた穂高は体勢を立て直す事が出来ず、甲板から落ちそうになってしまいます。寸での所で、その腕をつかんで助けてくれたのが須賀 圭介でした。

須賀は穂高を助けたお礼にと食事とビールをおごってもらい、下船した時、穂高が当てもなく東京にやって来たと何となく感づいたのか、自分の名刺を渡して「困ったら連絡しな」と去って行きました。

須賀の察した通り、穂高は東京の生活に憧れた家出少年でした。漫画喫茶に寝泊まりしながら身分証明書のいらない、16歳でもできる仕事を探そうとしますが、何処へ行っても門前払いを受けてしまいます。Yahoo!知恵袋に相談しても「ある訳ありません」「バイトなめるな」と辛辣な回答しかなく所持金も段々と少なくなってきました。

漫画喫茶にもいられなくなり、夜中に街をさ迷い歩いていた時に警察官に職質を受けてしまいます。慌てて逃げ出し、小さなスナックの前に積まれていた段ボールの陰に身をひそめました。

そしてそのまま寝入ってしまい、気が付くとチンピラ風の男 木村が顔を覗き込んでいました。すぐに立ち去ろうとしますが、木村に足をひっかけられ空き缶入れを引っ繰り返してしまいます。通行人に邪魔者扱いされながら缶を拾っていると、テープで厳重に包まれた紙袋を見つけ、思わずカバンに入れてしまいます。

暫くして、その中身を出してみると、それは拳銃でした。驚いたもののどうして良いか分からず

「・・・おもちゃに決まってる」
とカバンにしまい込みました。

その日からマクドナルドで飲み物だけを買って夜を明かす日が3回も続きました。
3日目の夜が明けた時、テーブルで眠りこけていた穂高の前にいきなりハンバーガーの包みが置かれました。驚いて振り向くと、穂高と同じ年頃の店員(陽菜)が立っていました。

「それ、あげる。内緒だよ。3日も夕食が飲み物だけでしょう」

穂高は驚きながらも空腹には勝てず、後に「僕の16年の人生で一番おいしい夕食だった」と語るハンバーガーにかぶりついたのでした。

それでも、行く当ても生活してゆく手段もない事には変わりありません。

遂に穂高は名刺をくれた須賀を頼る事にしました。

名刺に書かれた住所を頼りにやって来てみると、そこは潰れたスナックの2階にある小さな編集プロダクション「有限会社K&Aプランニング」でした。

穂高が恐る恐る入ってみると、部屋に置かれたソファーの上に若い女性 夏美が眠っていました。
穂高に気が付いて目を覚ました夏美は、自分をK&Aプランニング唯一の社員で、もろもろの雑用担当だと紹介しました。(須賀との関係は「君の想像通り」とはぐらかしました)

やがて須賀も帰って来て、仕事内容を説明されます。K&Aプランニングの主な仕事はオカルト系雑誌への寄稿です。
説明の後、いきなり穂高はネットで噂の「100%晴れ女」について夏美と共に取材に行かされました。
「晴れ女には稲荷系の神様、雨女には龍神系の神様が付いています」
「雨女は水を沢山飲みます。水が恋しいんでしょうね」
「天候を左右する力は危険なのです。使いすぎると神隠しにあうと言われています」
ライトノベルの設定のような話を延々と聞かされて辟易したものの、須賀に
「文章は悪くない」
と褒められ、住み込みで雇ってもらう事となりました。

あらすじ・ネタバレ2 【穂高の新しい生活】

そして、穂高の東京での新しい毎日が始まりました。仕事は雑用全般で、電話対応・領収書の整理・インタビューのテープ起こし・須賀や夏美の身の回りの世話までやらされました。時々は仕事が遅いと叱られる事もありましたが、誰かと暮らし、ちゃんと地に足を付けているという実感を持てる生活に穂高は満足していました。そして、あっと言う間に毎日は過ぎてゆきました。

そんなある日、穂高はチンピラ風の男達(実は以前に穂高を転ばせた木村と弟分)に強引にホテルに連れ込まれようとしている陽菜を見掛ます。

何か、良くない事が起ころうとしていると感じた穂高は陽菜の所に駆け寄ると、いきなり腕を取って木村達から逃げ出しました。しかし、すぐに追いつかれて組み伏されてしまいます。商売の邪魔をされた木村が更に殴り続けようとした時、頭に血の登った穂高は銃を取り出して木村に向けます。

「何それ、おもちゃ?こいつ、マジでバカだわ」

穂高をなめ切っている木村はひるむ様子がありません。興奮した穂高は思わず引き金を引いてしまいます。その途端に銃声が響き、木村の頬をかすめて弾が飛び出しました。拳銃は本物だったのです。余りの事に木村達も放心状態になり、その隙に穂高と陽菜は一緒に逃げ出しました。

暫く走って廃ビルに逃げ込んだ途端、陽菜が穂高を怒鳴りつけました。

「あれって何?当たって死んだらどうする気だったの?!」

自己嫌悪に襲われた穂高は握りしめていた銃を投げ捨てました。その姿に、陽菜も少し冷静さを取り戻しました。

「私ね、バイトをクビになったの。だから稼げる仕事がしたかったんだ」

「ゴメン、俺…」

「君、家出少年でしょう?分かるよーーせっかく東京に来たのに、雨ばっかりね」

そういうと、陽菜は穂高を屋上に連れ出しました。

「今から晴れるよ」

そういうと、陽菜は点に向かって祈り始めました。穂高が不思議がる暇もなく、雨が上がり始めて周りを日差しが照らし出しました。

「(噂の)晴れ女⁈」

穂高の驚いた顔を見て、陽菜は満足げに笑っていました。

「私、陽菜。あなたは?」

「穂高 、16歳」

「なんだ、年下かぁ。私は陽菜、来月で18歳」

眩しげに太陽を見た後、陽菜は手を差し出しました。

「よろしく、穂高」

あらすじ・ネタバレ3 【100%の晴れ女と、その代償】

その頃から、東京のあちこちで「水の魚」や「半透明の巨大生物」が目撃されるようになります。

穂高もその事をネットニュースで知り

「記事にしたら稼げるかも」

と発言して夏美の顰蹙を買ったりしていました。

同じ頃、須賀はホテルのレストランで老婦人と会っていました。

「あの子もやっと最近落ち着いてきたようだし、会わない方がいいと思うのよ」

「でも、僕にもあの子に会う権利はある訳で・・・」

老婦人は、事故で亡くなった須賀の妻 明日花の母親で、須賀の娘 萌花を引き取って育ててくれていました。老婦人は萌花が喘息を患っている事もあって、良い印象を持っていない須賀と会う事に反対していたのです。

雨が降りしきる中、穂高は陽菜の住むアパートを訪ねました。そして、二人でネット上に「お天気 お届けします。 100%の晴れ女」の広告を出します。

すると、早速フリーマーケットの運営スタッフから依頼が入ります。(本当に依頼が入って慌てふためく二人の姿を、陽菜の弟 凪は冷ややかな目で眺めていました)

当日の予報は雨。実際に朝からずっと降り続いていました

「もし晴れに出来なったらどうしよう…」

と自信なさげに会場にやって来た陽菜・穂高・凪の三人でしが、陽菜が祈り始めて暫くすると本当に晴れ間が見え始めました。

依頼主も大喜びし、契約では報酬3400円の所を2万円も奮発してくれました。

それをきっかけとして、コスプレイベントや結婚式、幼稚園の運動会など連日の様に依頼が入り始めます

「ただの空模様に人の心はこんなにも動くんだ、人の心は空と繋がっているんだ」

穂高もこの仕事にやりがいを感じ始めていました。

そして、遂には花火大会の日を晴れにして欲しいとの依頼が入ります。当日は土砂降りで、誰もが中止だろうと思っていましたが、陽菜のおかげで見事に晴れ、沢山の人が花火を楽しみました。陽菜も浴衣姿でやって来ていて、夜空を彩る花火に照らされた横顔を眺めて、穂高は自分の心が動かされているのを感じました。

しかし、穂高と陽菜は天気のバイトをそろそろ終わりにしようと考えていました。空に祈る陽菜の姿をTVカメラに取られてしまって注文が殺到して対応しきれなくなっており、陽菜も疲れていたからです。

また、夏美は就職活動を始めましたが、何処へ行っても不採用ばかり。須賀も記事の企画がボツになり、イラついて禁煙の誓いを破ってしまいそうになります。

そして夏美と須賀は二人で取材に向かいます。その道中、八つ当たり半分で須賀は穂高が最近留守がちである事を愚痴りますが、月に給料3000円(ただし住まいと食事付き。会社の携帯使い放題)で働かせていたと夏美に知られ「それは別でバイトしたくもなるわ・・・」と呆れられてしまいます。

二人の取材先は「天気の巫女が見た風景」を描いた800年前の天井画があるお寺でした。その寺の住職は

「天気の巫女は人と天を結ぶ存在」

「昔はそんな存在が世界中のどの地域にもいたし、誰もがその事に敬意を払っていた」

「しかし物事には必ず代償がある。天気の巫女も悲しい運命を背負っている」

と、昔から伝わる話を聞かせてくれました。

その頃、「夫の初盆を晴れにしてやりたい」との依頼で訪ねたおばあさんの家にやって来た青年(実は「君の名は。」の立花 瀧(たちばな たき))と会話していた穂高は陽菜の誕生日が来週である事を思いだし、青年から「じゃぁ、プレゼントをあげなくちゃね」とアドバイスを受けます。

そして(女性の扱いに長けた)凪とも相談し、穂高は指輪を用意します。

やがて最後の「天気のバイト」の日がやって来ました。偶然にも、その依頼主は須賀でした。その日、須賀が娘 萌花と会う約束をしていました。雨が降ると喘息を患っている萌花は調子が悪くなるので、須賀は晴れをプレゼントしたのです。
当日の予報は降水確率100%でしたが、陽菜のおかげで晴れとなり、萌花も凪や須賀に遊んでもらって上機嫌でした。(途中で夏美が合流した時、須賀に娘がいると知られるのはまずいと穂高は慌てますが、夏美が須賀の愛人ではなく姪だと知って大恥をかきます)

そしてこの時、陽菜は夏美から「天気の巫女はいずれ天候を安定させる人柱として神隠しにあう」という話を聞いてしまいます。

やがて陽菜の祈りの効力が切れ、雨が降り始めました。須賀や萌花、凪と夏美は一緒に食事に行き、穂高は陽菜を送っていく事になりました。

“いよいよ告白のチャンスだ”

穂高は緊張します。誰もいない坂道で声を掛けようとしまうが、その時、陽菜の体の周りに「水の魚」が現れました。状況が呑み込めずに穂高と陽菜が驚いていると、次の瞬間、陽菜は「穂高!」という声を残して姿を消してしまいます。
穂高が慌てて見上げると、陽菜が宙に浮いていました。やがて陽菜は地上に降りてきましたが、その腕は水の様に透けていました。

「私が“晴れ女”になったのは多分1年前のあの日。鳥居をくぐって“お母さんと太陽の下を歩きたい”と心の底から願った時、私は空と繋がったんだと思う」

雨でずぶ濡れになった穂高は、陽菜のアパートで頭を乾かしていました。頭の中はさっきの光景と陽菜の話でいっぱいでした

その時、いきなりアパートのドアがノックされました。のぞき穴から外を見ていた陽菜に「隠れていて!」と言われて洗面所に隠れたまま外の様子を伺っていました。

訪ねてきたのは若い刑事 高井と婦人警官でした。

刑事は先日、チンピラ木村を銃で脅した時の防犯カメラ映像から穂高の事を割り出しており、行方不明者届が出ている事もあって、行方を捜していたのです。

そして陽菜も婦人警官から

「保護者のいない児童だけでの生活は・・・」

と注意されますが

「私達、誰にも迷惑かけてません!」

と反論し、二人を強引に帰らせました。

その時、穂高のスマホに須賀から電話が掛かってきます。車でアパートの近くまでやってきた須賀は、送ってきた凪の代わりに穂高を座席に座らせ

「さっき事務所に警察がやって来た。俺が誘拐犯だと疑われてる」

「萌花の引き渡しを申請中の微妙な時期に、揉め事は起こしたくない」

「明日から事務所に来なくていい。両親の所に帰れ。誰にとってもそれが一番いい」

と財布から万札を数枚出して握らせました。

アパートに戻ると「もうここには居られないから・・・」と陽菜達は荷造りをしていました。陽菜も穂高に実家に帰るよう勧めますが、穂高は二人と一緒に逃げると決心します。

折しも東京は何十年に一度の異常気象に襲われていました。雨が降り続き、気温は下がりっぱなしでした。交通機関も軒並み停止となり、穂高達も東京から出られなくなってしまいました。

仕方なく、行く当てもないままで3人は街をさまよっていましたが、気温はいよいよ下がり続け、8月だというのに雪まで降り始めてしまいました。

そして、そんな天気の中で街を歩いていた3人は巡回中の警官に見つかってしまいます。
せめて陽菜たちだけでも逃がさなくてはいけないと思い詰めた穂高は「逃げて!」と叫んで一人で駆けだしました。しかし、すぐに追いつかれて取り押さえられてしまいました。

その時、陽菜が「お願い!」と祈ると、近くに泊まっていた車に雷が落ち、凄い勢いで燃え始めました。そして、警官が呆気に取られている間に3人は逃げ出してしまいました。

同じ頃、事務所を訪ねてきた夏美は煙草をふかし、酒を飲んで酔いつぶれている須賀を見つけます。そして、警察沙汰を恐れて穂高を追い出してしまった事を知って須賀を非難します。しかし、夏美も考え無しに陽菜に人柱の話をしてしまった事を指摘されて黙り込んでしまいます。

何とか警官達から逃れた穂高達は、ようやく泊まれる場所(ラブホテル)を見つけます。全く未来の見えない3人でしたが、取り敢えず大きなお風呂に入り、食事をし、備え付けのカラオケを楽しんで久々にゆっくりとリラックスできる時間を過ごす事が出来ました。

“神様、お願いです。僕たちはもう大丈夫です。何とかやっていけます。だからもう、僕たちに何も足さず、何も引かないでください。ずっとこのままでいさせてください”

穂高は心の中でそう祈り続けていました。

そして0時を過ぎて日付が変わった時、穂高は「誕生日おめでとう」と陽菜に指輪を差し出しました。

陽菜はとても喜び、そして悲しそうな顔になりました。

「この雨、止んで欲しい?」

そう言って、おもむろに陽菜は着ていたバスローブの前を広げました。ガウンの中の陽菜の体は胸から腹まで透明になっていました。

「夏美さんが言ってた。人柱なんだって、私。いずれは空に消えちゃうんだって」

その話を聞いた穂高は、陽菜に晴れ女をやらせた事を後悔して泣き出しました。

「もう陽菜さんは晴れ女なんかしなくていい。僕がちゃんと稼ぐから、3人で一緒に暮らそう」

そう言って穂高と陽菜はしっかり抱き合いました。

そして穂高はその晩、とつぜん雲の上の世界に連れてこられ、体も水になって戸惑う陽菜の姿を夢に見ます。驚いて目覚めた時、隣にいたはずの陽菜はバスローブを残して消えていました。更に、凪も陽菜が雲の上に連れて行かれる夢を見たと言います。

そこに警察が踏み込んできました。真っ先に部屋に入ってきたのは、この数日間、穂高の事を探していた高井刑事でした。

外に出てみると数か月ぶりの快晴になっていました。

「天気の巫女が人柱となり、狂った天気を元に戻す」

陽菜は人柱になって雲の上にいると穂高は確信します。

更に連れて行かれる途中、18歳だと思っていた陽菜が実は15歳だったと知ります。

穂高は陽菜を探しに行きたいと言いますが、取り合ってはもらえずにパトカーに乗せられて警察署へ連れて行かれました。

このままではらちが明かないと思った穂高は、隙を見て警察署から逃げ出します。
穂高が走り続けていると、カブに乗った夏美がやって来て穂高を後ろに乗せてくれました。夏美は凪から連絡を受けてやってきたのです。

「ウケる!私達、お尋ね者だね」

楽しそうに言った夏美は穂高を追ってきたパトカーに捕まらないようにスピードを上げました。

その頃、児童相談所に保護されていた凪は、面会に来てくれた女の子達と共謀し、服を交換してかつらで変装までして脱走します。

その頃、高井刑事と一緒に穂高を捜索していた老刑事 安井は須賀の事務所に来ていました。

「人生を棒に振ってまで探したい人がいるというのは、少し羨ましいですな」

安井刑事にそう言われ、須賀は自分でも気づかないうちに涙を流していました。

あらすじ・ネタバレ4 【穂高の決断と、変わってしまった世界】

陽菜が空と繋がった祠を目指して走っていた穂高と夏美でしたが、道路が水没しており、夏美は穂高だけを先に行かせます。運休中の列車の線路の入り込んだ穂高は人目も気にせず線路に沿って走り続け、遂に祠のある廃ビルに辿り着きます。

廃ビルは老朽化により各階の床が崩れ落ちて吹き抜け状態になっていました。外にある非常階段を使おうとした時、先回りをしていた須賀が現れます。

「早く戻った方がいい。事情を説明すれば警察も分かってくれるから」

須賀は説得しようとしますが、穂高は聞く耳を持ちません。遂には、以前にここで捨てた銃を見つけた穂高はそれを拾って須賀に突きつけます。そこへ刑事たちもやって来て、場の空気は一気に張り詰めます。

「何でみんな邪魔するんだよ。俺はただ、もう一度あの人に会いたいんだ!」

穂高は叫んで逃げ出そうとしますが、高井刑事に取り押さえられてしまいます。しかし、穂高の気持ちに共鳴した須賀は高井刑事に飛び掛かり穂高を逃がします。それを止めようとした安井刑事も、脱走してきた凪のタックルで邪魔をされて穂高を取り逃がしてしまいます。

「穂高、全部お前のせいじゃやねーか。ねぇちゃんを返せ!」

凪の声を背中に受けながら崩れかけの非常階段を駆け上がり、屋上の祠まで辿り着いた穂高が鳥居をくぐると、次の瞬間に穂高は遥か上空に移動していました。

そして、地上に向かって落下しながら、雲の上の草原にいる陽菜を見つけます。

「陽菜、飛べ!」

草原から飛び出した陽菜に手を伸ばし引き寄せ、二人は一緒に落ちてゆきます。

「陽菜、一緒に帰ろう!」

「でも、私が戻ったら天気が・・・」

「もういいんだ。青空より、俺は陽菜と一緒がいい。天気なんて狂ったままでいいんだ!さぁ、自分の為に願って」

陽菜は笑顔でうなずき、二人は目を閉じて祈り始めました。

地上では晴天だった空にいきなり稲妻が轟き、凄い勢いで雨が降り始めました。その雨に打たれながら、陽菜と穂高が祠の前に横たわっていました。

そして、その日から穂高と陽菜は離れ離れになり、一度も会うことなく3年が経ちました。

雨はその日から止むことなく降り続け、3年かけてゆっくりと東京は水没してゆきました。

高校を卒業した穂高は、東京の大学に進学するために引っ越してきます。

そして、3年ぶりに晴れ女に仕事を依頼するサイトを開いてみます。すると、2年前の日付で1件だけ依頼が入っていました。

お詫びに行ってみると、そこは3年前に夫の初盆を晴れにしてほしいと依頼したおばあさんの家でした。

おばあさんの元の家が雨のせいで水没してしまったと知り、穂高は謝ります。しかし、おばあさんは

「東京も200年ぐらい昔は海だったんだ。それを長い間を掛けて陸地にしたらしいよ。だから、元に戻っただけと思ったりもするね」

久しぶりにK&Aプランニングの須賀を訪ねてみますが

「お前と陽菜のせいで天気が狂って雨が降り続いてる?そんな訳あるか。バカな事を気にせず、陽菜に会いに行け――どうせ、世界なんて元々狂ってんだから」

と素っ気ない態度で追い出されてしまいます。

“世界は元からこんなだった。誰のせいでもないから、気にする事ない。そう伝えればいいのかな・・・”穂高は考え込みながら陽菜との約束の場所に向かっていました。

しかし、空に向かって祈る陽菜の姿を見た途端に気付きます。

“違う。あの時、僕らは確かに選んだんだ。この世界で、二人で生きていくことを!”

「陽菜さん!」

その声に振り返った陽菜の顔にも笑顔が広がります。

「穂高!」

二人は駆け寄り、しっかりと抱き合ったのでした。

映画『天気の子』主要キャスト

それでは以下にて天気の子の主要キャストをご紹介していきましょう。

話題作とだけあって、声優さんの顔ぶれも有名な俳優さん・女優さんが占めています。

・森嶋帆高(声:醍醐虎汰朗)

離島で暮らしていた高校1年生。島での生活に息苦しさを感じ、東京に家出してきた。普段は真面目で律儀な性格だが、一旦決めると周りの意見も顧みずに突っ走ってしまう一面がある。

・天野陽菜(声:森七菜)

天気の巫女の力を得た少女。祈れば短時間だがどこでも晴れを呼ぶ事が出来る。(警官から逃げる際、車に雷を落としていた事から、心底から祈ればどんな天気も呼べるらしい)
穂高と出会った時、もうすぐ18歳と言っていたが、実は15歳だったと後で判明する。
シングルマザーだった母親とは1年前に死別。弟の凪と共に暮らしている。

・須賀圭介(声:小栗旬)

編集プロダクション 有限会社K&Aプランニングの経営者。
フェリーで穂高を助けた縁で、彼を雇う事になる。自身も10代のころに家出をした経験から、穂高を放っておけなかったものと思われる。
長年、後ろ盾もなく会社を経営する内に無難な道を選ぶようになってしまったが、心の奥には熱く純粋な心が秘められている。
数年前に事故死した妻 明日香との間に娘 萌花がいる。

・夏美(声:本田翼)

大学4年生でK&Aプランニング唯一の社員。穂高が雇われるまで文章起こしや取材などの雑用を一人でこなしてきていた。「ウケる」が口癖。考えをまくし立てて話す時がある。
最初、穂高には須賀の愛人と思われていたが、実は須賀とは伯父と姪の関係。

映画『天気の子』その他のキャストまとめ

・天野凪(声:吉柳咲良)

陽菜の弟。小学生だが女の子にはもてる(その女性経験の多さと女性心理に長けた所を穂高は尊敬しており「センパイ」と呼んでいる)。
姉と同様に大人びており、まだ子供で陽菜を守れない自分の無力さを情けなく思っている。

・高井刑事(声:梶裕貴)

穂高の行方を追っていた若い刑事。どこか冷めた所がある。陽菜の行方を探そうとする穂高の訴えを面倒くさそうに聞いたり、抵抗する穂高を本気で殴ったりするなど、自分の思い通りに運ばないと気に入らない性格が伺える。

・安井刑事(声:平泉成)

穂高の行方を追っていた老刑事。最近の若者のネット文化にはついていけてない。

特別出演は?【君の名は。のキャラが登場!?】

天気の子では特別出演が設けられています。

それは新海誠監督つながりで「君の名は。」のキャラクターが登場するのです!

ファンからしたらたまらない素敵な共演ですよね。

・宮水三葉(声:上白石萌音)

「君の名は。」のヒロイン。穂高が陽菜に送る指輪を探していた店の店員として登場した。

・立花瀧(声:神木隆之介)
「君の名は。」の主人公。穂高と陽菜が夫の初盆を晴れにする依頼で訪れたおばあちゃんの孫として登場した。穂高に、陽菜の誕生日にプレゼントするようアドバイスする。

『天気の子』まとめ

天気の子は、天候を操る能力を持った少女と、家出少年が織りなす物語です。

穂高は島での生活に息苦しさを感じ、東京に家出してきた少年。

陽菜は母親を亡くし、弟 凪と暮らす少女です。

彼らはどちらも孤独で、社会から隠れるように生きているという点では共通していました。

そんな二人の関係は、陽菜が年上という事もあってリードする場合が多く、微笑ましくも正直な心のままで新鮮な表情や会話に満ちていました(実は陽菜は穂高より年下だと後に明かされますが、一貫して子供っぽさの残る穂高を、大人っぽい陽菜が受け止めるというやり取りが多かったように思います)

対して、社会(大人達)は冷たく拒絶するか、彼らの気持ちを無視して施設や親元に送ろうとします。また、陽菜や穂高も「自分達は助けてもらわなくても大丈夫」「自分達だけでやっていける」と頑なに思い込み、社会(大人達)から遠ざかろうとしているようにも思えました。

そんな二人は「天気のバイト」をすることで初めて社会に認められますが、陽菜の体が透け始め、やがて人柱となってしまうかもしれないと活動を辞めてしまうと、あっと言う間に「家出少年」「子供だけで暮らしている兄弟」としか見られなくなってしまいます。

そして、陽菜が空に人柱として連れ去られ天候が元に戻ると「晴れだ!」「異常気象が終わった!」と手放しに喜んで、陽菜や穂高の犠牲があった事は知ろうともせず、聞く耳も持ちません。(須賀は「一人の犠牲で済むなら、俺はそっちを選ぶ。誰だってそうだろう」とさえ告白しています)

穂高は陽菜が空に連れ去られたと知ると、警察の制止も須賀の説得も振り切って

「何で邪魔するんだよ!」

「放っておいてくれよ!」

「陽菜さんのおかげで天気が元に戻ったのに、知らないふりして!」
と叫んで陽菜の元に行こうとします。それは、考えの浅い、無鉄砲な我儘にも思えましたが、無視され続けてきた者の反抗のようでもあり、熱い情熱を感じました。
(陽菜を探して線路に入り込んだ穂高を、遠目でと見ながら「あれ、誰?」「危なくない?」と言うだけで、誰も自分の身を挺して止めようとはしないのも、人々の無関心を象徴するようなシーンでした)

作品のラストで、陽菜の祈りで3年間降り続いていた雨が止んで日差しがさし始めているのが、希望を感じさせてくれました。

映像美も素晴らしく、雨の描き方も場面ごとで違っており、美しさや力強さ、陰鬱さを感じさせてくれました。また、晴れの場面は雨の日からの対比で美しく、気持ち良く、心にスキッとした爽快さを感じました。
これまでも名作を生み出してきた新海誠監督の熱意やこだわりが感じられる作品でした。

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この記事を書いた人

読書好きブロガー。とくに夏目漱石が大好き!休日に関連本を読んだりしてふかよみを続けてます。
当ブログでは“ワタクシ的生を充実させる”という目的達成のために、書くを生活の中心に据え(=書くのライフスタイル化)、アウトプットを通じた学びと知識の定着化を目指しています。テーマは読書や映画、小説の書き方、サウナ、アロマです。

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