映画『彼女がその名を知らない鳥たち』ネタバレ解説!結末でわかる衝撃の事実とは!?

▼この記事はこんな内容をお届けします

1.映画『彼女がその名を知らない鳥たち』のネタバレ
2.映画『彼女がその名を知らない鳥たち』はどんな人にオススメか?
3.シネコンスタッフたかりょーの感想

 

たかりょー
こんにちは、元シネコンスタッフたかりょーです。恋愛映画・恋愛小説がめっちゃ大好きな男です。休日はほぼ見る-読むを繰り返す生活を続けています22

『彼女がその名を知らない鳥たち』は、Huluの“恋愛”ジャンルから選んでみた作品なんですが、かなりミステリー要素が強かった作品ですね。

凶悪の白石監督がメガホンをとり、主演には、蒼井優&阿部サダヲ。

内容は、永遠の愛を描いたラブミステリー。

とはいえ、キラキラは一切していません。

超絶暗くて、ドロドロした感じです。

それでは早速本題を見ていきましょう。

※注意!

この記事はネタバレを含むものですので、これから映画をみる!って方はくれぐれも気をつけてくださいね。

目次

『彼女がその名を知らない鳥たち』の基本情報

まずは映画『彼女がその名を知らない鳥たち』の基本情報を以下に、まとめておきますね。

□基本情報
✔︎作品名→彼女がその名を知らない鳥たち」
✔︎公開日 →2017年10月28日
✔︎上映時間→123分
✔︎ジャンル→ラブロマンス・ラブミステリー

□主な受賞・出品
✔︎【第41回日本アカデミー賞】
最優秀主演女優賞=蒼井優
✔︎【第60回ブルーリボン賞】
監督賞=白石和彌
主演男優賞=阿部サダヲ

□主要キャスト
✔︎蒼井優
✔︎阿部サダヲ
✔︎松坂桃李
✔︎竹野内豊

□スタッフ
✔︎監督→白石和彌
✔︎脚本→浅野妙子
✔︎音楽→大間々昂
✔︎エグゼクティブプロデューサー→藤本款
✔︎プロデューサー→深瀬和美、山本晃久
✔︎企画・プロデューサー→西口典子
助監督→茂木克仁
制作担当→宮森隆介
✔︎原作:沼田まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち」

ちなみに本作は、第22回釜山国際映画祭に正式出品されています。

『彼女がその名を知らない鳥たち』一言で表すと?

一言で、人間の“愛の暗部”を描いた作品です。

正直、映画をみていると、心がえぐられるような苦しみを感じてしまいます。

なぜこんなに苦しいのかは、正直、分かりません。

おそらく、人間の愛の“根っこ”の部分を偽りなく、あけすけに表現しているからでしょう。

ありのままを描こうと思うと、どうしてもダークになりがちになってしまうんですね。

『彼女がその名を知らない鳥たち』はどんな人にオススメ?

たかりょー

以下のような人にオススメです。

・愛の暗い部分もしっかりと描いた作品を見たい人

・人間の本質を垣間見れる作品を見たい人

・醜いけど美しい愛の姿が見たい人

正直、「彼女がその名を知らない鳥たち」は、かなりダークな映画だと思います。

でも飾った人間を描いてないからこそ、共感すると、グッと胸に迫ってくるものがあります。

僕自身のおすすめ度:★★★★★
キャラクターの魅力度★★☆☆☆
満足度:★★★★★
見返したい割合★★★☆☆

こちらがシネコンスタッフ歴5年・年間100作以上映画をみている僕の本作の評価です。

キャラクター自体が魅力か?って言われると、なかなか高評価は出しづらいんですけど、ストーリー的にはめっちゃ満足できるものでした。

“愛”について深く考えることができたからです。

あくまでも個人的な意見でしかないので、「もしみよっかな?」って方の参考していただければ嬉しいです。

【ネタバレあり!衝撃の結末】『彼女がその名を知らない鳥たち』の詳細あらすじ!

まず結論から述べておくと、黒崎を殺したのは、陣治ではなく、十和子です。

ストーリー的には、陣治が殺したように描いていますが、事実はそうではありません。

陣治は、恋愛のもつれから十和子がナイフで刺し殺した黒崎が死んでいる現場に呼ばれただけなんです。

遺体をみた彼は、放心した彼女の代わりに遺体を埋める作業を行い、“自分が殺人者としての汚名”を被ろうと決意するわけです。

なぜなら、十和子を愛してるからです。

映画は終始、愛の暗部・歪みを描き続けているんです。

【序盤】共感できない主人公2人

物語の序盤は、十和子と陣治の退廃的な生活模様を中心に描かれています。

狭く、汚い、ボロボロのアパートに2人はなぜか同居している。

・陣治は年下の女十和子に対する異常な愛情を示しており、かたや、十和子は陣治を拒んで毛嫌いしている

・陣治は「気持ち悪いんだよ!」とどれほど悪口を言われても「十和子のためだったらなんでもやる!」と言い続ける

・十和子は定職につかず、肉体労働者である陣治が稼いできたお金で自由な生活をしている

・十和子の生活は、一日中ゴロゴロとして、ときに外に出たり、あるいは電話でサービスに対するクレーム、、、そんな日々で埋め尽くされている。

十和子のクズっぷりは明らかで、陣治にも浮浪者のような面立ちなので、好感なんて抱くことは全くできませんよね。

控えめに言って、彼らは共感できない主人公たちなんですよ。

ストーリーの2つの謎

そんな中、十和子の過去にはどうやら黒崎という元カレがいたことがわかります。

でもある日、姿を消してしまい、それ以来、彼とは会っていないよう。

別れて月日は経ち、現在5年。

なのに、十和子はいまだに彼への愛を断ち切ることができず、未練タラタラ状態。どうやら彼をめちゃくちゃ愛していたっぽいのです。

ここで、僕たち観客は以下の2つの謎を突きつけられます。

・どうして十和子は、不潔で下品な陣治と同棲生活を続けているのか?

・黒崎は十和子の前から消えてしまったのか。

十和子の恋、既婚者・水島との浮気

物語は終始、十和子の視点で描かれています。

だから、映画をみている僕たちは、イケメン好きそうな十和子が(黒崎を見ればイケメンが好きなんだろうな〜ってわかります)、なんででこんな汚い男とずっと暮らしてるんだ?と思っちゃいます。

そんなときに現れるんですよ、イケメンが。

百貨店時計売り場の主任の水島。

展開がめちゃくちゃなんですけど、ある日、十和子がクレームをつけていた腕時計の件で、水島から「代わりの時計を一度お宅に伺って謝りたいです」と電話がかかってきます。

最初、十和子は「いいです」と断るんですが、わざわざ百貨店まで足を運んで、水島の姿をチェックし、めっちゃイケメンとわかると手のひらを返して、彼を自宅に招きます。

ここは笑えます。

そして水島が家にやってくると、持参した腕時計を見せますが、十和子は不服そうにして泣き出します。

水島は謝りながら十和子に近づくと突然キスするんです。

団地妻か!昼ドラか!って感じですよね。

不自然な陣治の言動

十和子はその日から、2人は情事を繰り返します。

そんなある日、帰りが遅くなったことを心配した陣治は、町中を探し回り、十和子の姉の美鈴にも連絡をします。

次の日、美鈴は「黒崎と会ってたんじゃないか?」と自宅で十和子を問いただします。

すると、陣治が横から言葉を挟み「十和子と黒崎が会う事は絶対に無い」と彼が否定するのでした。

明らかな不自然な陣治の言動。

僕たちは「なんで陣治がそこまで言い切れるのか?」という疑問が残されます。

黒崎が失踪したのを警察から知らされる

物語の進行とともに、存在感をます黒崎。

そんな時、十和子の元に警察が訪れます。

「黒崎が5年前に失踪したんですよ」

十和子はその事実を初めて知り驚きます。

黒崎が借金地獄・身投げの事実

失踪した事実を知らされた十和子は、ある日、黒崎の妻・國枝カヨ(村川絵梨)の自宅に訪れます。

そこで新たな事実を聞かされます。

「黒崎は多額のお金を借りていたんです」

そして、カヨの叔父である國枝の姿があらわし、十和子は彼の顔を見て驚愕します。

実は、十和子は黒崎のために、自分を國枝に売っていたのです。

十和子、水島を刺す

十和子は、恋に溺れてしまうタイプ。

好きな人が目の前にいたら、とことんその男を好きになってしまい、

しかし、彼女の心の奥底では、闇の力が働いてとんでもない行動を起こさせるのです。

それが現実化したのが、水島を刺す行動。

【ネタバレ】十和子が黒崎を殺していた

最終的な結末は、黒崎を殺したのは、陣治ではなく十和子。

十和子はあまりにもショックを受けて、その日の記憶が完全に失われていたのだ。

その過去が暴かれます。

遡ること8年前。

ある日突然、別れたはずの黒崎から電話がかかってきます。

「会いたいんだけど、どうかな?」

十和子は喜び勇んで彼の元に会いにいきます。

もしかしたらやり直せるかもという一縷の望みが抱きながら。

ところが期待とは裏腹に、黒崎が言ったことは、「もう一度、國枝に抱かれて欲しい」

期待が大きかった分、受けたショックも大きい。

十和子は「分かった」と渋々返事をしたように見せて、十和子は黒崎を後ろから刺し殺します。

放心状態となった十和子は、陣治に電話をかけ、彼は彼女の元に駆けつけます。

そして、雨の中放心状態で車の中にいた十和子。

陣治は彼女の代わりに黒崎の死体を埋めます。

公園

 

元シネコンスタッフの見応えポイントをご紹介!

たかりょー
それでは、元シネコンスタッフ僕が、『彼女がその名を知らない鳥たち』の見所をご紹介しましょう。

・共感できない内奥なのに、共感できる

・人間の歪みをありのままに描く

・愛の常識をつき崩す

共感できない内容なのに共感できる

最初は2人に対して、嫌悪という感情しか抱くことができません。

でも物語が進行していく中で、2人への共感がどんどん増していきます。

特に陣治への感情は特別なものです。

彼女の献身的な愛。自己を犠牲にしてまで誰かに尽くすような愛。

歪んだ愛だけれど、その歪みが愛の根本であって、それを否定してしまったら、「なぜ人は人を愛するのか?」に答えることができません。

人を深く愛するとは、自分の否定でしかないなのです。

歪みをありのままに描く

この作品は、正直、キラキラ感はゼロです。

なので、「男女の涙の美しい恋愛模様」(=人間を理想化する作品)を期待している方は見たいkとをオススメします。

終始暗いですし、人間の醜い部分がたくさん出てきます。

人間の本質を描いていることは確かです。

本質とはそもそも美しいものでなくって、どうしても歪みや醜さみたいなのがついてきます。

本作はその歪みこそが魅力になっています。

愛の常識をつき崩す

世間的には、「あなたのことが好き」「私もあなたのことが好き」と両想いになることこそ、愛だと思われがちです。

ただしこれは愛の美しい面にすぎません。

でも『彼女がその名を知らない鳥たち』を見ることで、一般的に抱いている愛のイメージが、ガラッと変わります。

とくに陣治の姿を見せられた僕たちは、『愛する人(他人)』に自分を捧げるという自己犠牲の精神が、胸に迫ってきます。

この点は、白夜行をみた時にも感じたことなんですが、『無償の愛』ここそ真実の愛なのでは?と思わされてしまいます。

とはいえ、他者志向は行き過ぎると、殺人やストーカーという異常行動にも繋がります。

そういう意味で、愛の暗い面ですよね。

まとめ→

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この記事を書いた人

読書好きブロガー。とくに夏目漱石が大好き!休日に関連本を読んだりしてふかよみを続けてます。
当ブログでは“ワタクシ的生を充実させる”という目的達成のために、書くを生活の中心に据え(=書くのライフスタイル化)、アウトプットを通じた学びと知識の定着化を目指しています。テーマは読書や映画、小説の書き方、サウナ、アロマです。

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