【衝撃作】しろいろの街の、その骨の体温の感想・あらすじ|村田 沙耶香

こんにちは。たかりょーです。(@RyoooooTaka)

僕は9年間、100冊以上の読書を続けている読書好きです。

さて先日、僕はこんなツイートをしました。

 

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本記事では、芥川賞作家村田沙耶香さんの『しろいろの街の、その骨の体温の』を読了したので、あらすじや感想を述べていきますね。

この記事のメリット

・読書する前に、『しろいろの街の、その骨の体温の』のあらすじを知れる!

・読書する前に、既読者のさまざまな感想が知れる!

・これから本を読む人は、スムーズに読めるようになる

それでは早速解説していきます。

しろいろの街の、その骨の体温の基本情報

まずは『しろいろの街の、その骨の体温の』の基本情報をおさえておきましょう。

作品名:しろいろの街の、その骨の体温の
著者:村田沙耶香
ページ数:272ページ
出版社:朝日新聞出版
スタイル:文庫(単行本あり)
ジャンル:純文学
定価:単行本→¥1430 文庫→¥770

本書『しろいろの街の、その骨の体温の』は、第26回三島由紀夫賞 受賞作品になります。

なお、第26回三島由紀夫賞は、

松田青子さん

黒川創さん

いとうせいこうさん

小山田浩子さん

と名だたる候補作品をおさえて、受賞した作品です。

しろいろの街の、その骨の体温のあらすじ

クラスで目立たない存在の小学4年性の結佳は、女友達の「好き・嫌い」という複雑な関係を、上手にこなしながら学校生活を送る。

一方、学校帰りに通う習字教室で、同じ学校の伊吹雄太と仲良くなる。

はじめはノーマルな関係を築いていた2人だが、結佳は次第には幼すぎる伊吹を、自分の「おもちゃ」にしたいという欲望が生まれてくる。

そしてある日、結佳は伊吹にキスをする。

伊吹を支配することに快感を覚えながら、彼らは同じ中学生へと進級することに、、、

拡張を続けるニュータウンを舞台に、少女の「性」や「欲望」を描きながら、女子中学生の心の動揺や変化を丹念に描く学園小説。

しろいろの街の、その骨の体温のこんな人におすすめ

・心をぐさりと刺される表現に出会いたい人

・深いテーマ性にある純文学を読みたい人

・読み終わった後にじわっと心に響く物語を読みたい人

本書は一読したときは、青春の学校ものに思えるかもしれませんが、その奥深くには様々なテーマが隠れています。

・性

・人間の弱さ

・差別

・優越感

全体的には思いトーンが漂っていますが、読み終わった後には、「は〜」とついついため息をつきながらも、「素晴らしい小説だな」と満足できる作品になっているので、ぜひ読んでみてください。

しろいろの街の、その骨の体温のを解説【4つのキーワード】

それでは、しろいろの街の、その骨の体温のを4つのキーワードで解説していきましょう。

01.スクールカースト

02.他人と自分の価値観

03,性の目覚め

04.自意識(優越と劣等)

4つそれぞれ解説していきますね。

スクールカースト

『しろいろの街の、その骨の体温の』を読んだら、まず感じるのが、このスクールカースト。

スクールカーストの恐ろしさは、

見えうちにできあがるところ

にあります。

なにか大きなきっかけがあるわけではないんですよね。

ある日突然なんです。

主人公である結佳も、クラスで自然と作りあげられたヒエラルキーのなかで、粛々と学校生活を送ります。

(客観的に見る)

教室の定義に従って“見えないものさし”によってつねに計られる

あいつは陰キャラだ。

あいつは人気者だ。

人気者は楽しい学校生活が過ごせる。

陰キャラは「無視される」か「いじめられる」

軽いいじめは、徐々にエスカレートする。

不気味で陰鬱な快感。でも根本にあるのは、

いじめる側がいつ『いじめられる側になるか』を恐ている

わけですね。

まさこさんの意見は至極真っ当で、『しろいろの街の、その骨の体温の』を読めば、過去にスクールカーストという悪夢のなかで学校生活を送っていた人は、もしかしたら辛い気持ちになってしまうかもしれません。

でも安心してください。

村田沙耶香さんは最後に、温かい救いを与えてくれます。

他人と自分の価値観

『しろいろの街の、その骨の体温の』では執拗なくらい、

・教室全体の価値観

・個人の価値観

のことについて書かれています。

教室のみんなが、いじめられっ子を「ブス!」といえば、みんなが笑う。

あるいは、無難なく首を傾げて肯定も否定もしない。

そうしない限りは、いつ自分が標的になるか分からないから。

中学校の頃は、学校が世界の中心だと思ってしまうので、教室の定義や価値観こそ、自分の存在意義を図る尺度になってしまいます。

でも、これって中高生の世界だけじゃなくて、大人世界・社会でも普通に起っていることですよね。

皆さんもこんなことありませんか?

「みんな(全体)が違うって言ってる。だから、私(個人)もその意見に合わせよ」

「ここで意見を通すと嫌わせそう。黙っていた方が無難だな」

『しろいろの街の、その骨の体温の』はあくまで“学校”という小世界のことを中心に描いてますが、もっと視野を広げてみた時に、

・社会の価値観

・個人の価値観

という“大きな世界”の現象にも当てはまることがこの作品には書かれています。

そのなかには

・社会(大多数)が下す判決は正義か悪か?(教室みんなの判断って本当に正しい?)

・個人が本当に大切にしなければならない価値ってなんなのか?(私って一体なに?)

こういったさまざまな問いも投げかけられます。

性の目覚め

『しろいろの街の、その骨の体温の』では、かなり露骨で過激な性的な描写があります。

子供から大人に成長する過程でむかえる第2次性徴。

身体の変化とともに、まるでいびつな怪物のように身体内側を這い回る性の疼き。

無邪気で潔白だった男女の関係は、熱をもった疼きによって、大きく変化していきます。

行くあてのない発情は、消化不要のまま処理できず、初恋相手に向かって発散されていきます。

自意識(優越と劣等)

自意識についても本作では大きく取り上げられています。

思春期をむかえると女の子は容姿など見た目を意識するようになります。

「私って〇〇ちゃんに比べて、目が細いからいやだ?」

「〇〇ちゃんってなんか大人びてていいよね?」

「私は骨ばった体型をしてるのに、〇〇ちゃんはいろっぽい体つきしてる」

そばに比較対象をもつにつれ、自分とその子とを比べて、「勝った・負けた」と一喜一憂します。

それがつまり『自意識』というもの。そして、自意識の芽生えとともに、生まれるのが、優越と劣等。

 

中学校に入った主人公は、無難な言動を続け、いじめを静観しながら、教室のヒエラルキーをうまく生き抜こうとします。

でも内心ではすべての他人を見下しながら優越感を保っています。

ただ

(容姿が優れていない)

というのもあり、自分の醜い身体を心底から嫌い、激しい劣等感も同時に抱えています。

主人公は優越感と劣等感のなかを、まるでさまよい続けます。

しろいろの街の、その骨の体温の既読者の口コミ

気になった口コミがあったので、以下にてご紹介させていただきますね

01.抱きしめるような温かさ

02.作者の表現

03.村田沙耶香さんの描写力

3つご紹介しますね

口コミ01.抱きしめるような温かさ

村田沙耶香さんは弱い登場人物を、時に過激で、時に残酷な描写で、極端に追い詰めるように書かれます。

しかし、その根本には“弱い人間をひしと抱きしめる温かさ”を常にもった作家さんです。

『しろいろの街の、その骨の体温の』も小説の節々に、弱い人間を突き放さない、誠実な視線があります。

口コミ02.純粋におもしろい作品

テーマ的にはいじめやスクールカースト、性、自意識と重めなものが多いです。

でも一度読んだら純粋に「おもしろ〜」って言いたくなっちゃいます。

プロットが素晴らしく、展開にも強弱があり、全然空きはありません。

僕たちが経験してきた、学校生活ということも、あって純文学初心者でも全然楽しく読めちゃいます

口コミ03.村田沙耶香さんの素晴らしい描写力

『しろいろの街の、その骨の体温の』は、りむ (@4brrMNgMUhWP2Rh)さんが述べている通り、テーマやストーリーは過激でなので、正直、好き嫌いは分かれると思います

でも、村田沙耶香さんの描く、風景描写や心情描写は、僕たちの意表をつくような独特な表現が散りばめられています。

そもそも、個人的に僕が村田沙耶香さんに強く惹かれる理由は、繊細さや力強い文体だったりします。

なので、コンビニ人間など、これまで読まれた方は自然に楽しめる作品になっていると思います。

まとめ

『しろいろの街の、その骨の体温の』は性やいじめなど重いテーマを扱っています。

そして、ついつい目を背けたくなるような内容も描かれています。

とはいえ、小説を読み終えると、そこには温かい救いが待っています。

醜い部分から決して目を背けず、強い眼差しで闇を見つめ続ける、村田沙耶香さん。

全ての表現からその真摯さが伝わる作品になっているので、ぜひお時間があればを読んでみてください。

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