小説『ユリゴコロ』のあらすじとネタバレ結末を紹介!【作者は誰?読みどころは?】

▼この記事はこんな内容が書かれています。
1.小説『ユリゴコロ』の詳細なあらすじ・ネタバレ結末
2.映画『ユリゴコロ』の読みどころ
たかりょー
こんにちは、年間100冊以上の小説を読むたかりょーです。。

今回は『ユリゴコロ』のあらすじを中心に、ユリゴコロをこれから読もうとしている人向けに記事をご用意しました。

小説は事前にどんなあらすじなのかを知っておくだけで、格段と読書スピードが早くなるので、ぜひ参考にしてくださいね。

小説『ユリゴコロ』の登場人物は?

亮介

現在はペットと楽しめるドッグラン付きの喫茶店を経営している。

結婚まじかに控えて、幸せかにみえたのだが婚約者の千絵が突如失踪。

父親は末期ガンに犯されて、母親は交通事故死。

数ヶ月のうちに不幸が次々に降りかかってくる。

千絵

亮介の前から突如、姿を消した婚約者。

喫茶店では看板娘として、亮介と一緒に。

洋介

亮介の父親で、末期の癌を宣告されています。

普段は口数少なく、亮介とは

風変わりな一面があり、エイズに冒されて顔に肉腫ができた子供などが乗っているスクラップノートを持っている。

洋平

亮介の弟。

亮介と仲が良い。

亮介の「母親が変わったかもしれない」という言葉に半信半疑ながらも、事実追求に積極的に協力する。主人公のために

細谷さん

亮介が経営する喫茶店の頼れる店員。

千絵の母親的存在。

小説『ユリゴコロ』のあらすじ

鉢高山の麓の<シャギーヘッド>という喫茶店を経営している亮介は、従業員・千絵との結婚をひかえ、満ち足りた幸せな日々を送っていました。

ところがたった数ヶ月の間に、突然の不幸が亮介のもとに次々と訪れ、彼の人生は激変します。

・母は交通事故で不審な死を遂げる

・父親は末期のガンで余命幾ばくかと宣告される

・婚約者・千絵の失踪

多くの困難が亮介に降りかかり、彼をは絶望しています。

そんなある日、久しぶりに訪れた実家で亮介の運命を変える不思議な出会いがあります。

ノート『ユリゴコロ』との出会い

実家の普段なら絶対に足を踏み入れない書斎で、押入れである箱を見つけます。

その中には「ユリゴコロ」と題された4冊のノートと、古ぼけた女性もののハンドバック、そして母親の「美紗子」という名前が添えらえれた小さな和紙に包まれた若々しい黒い髪束です。

亮介は表示のデザインも厚さも違う4冊の「ユリゴコロ」を手にもちパラパラとめくります。

そこに綴られていたのは、どのページも余白ぎっしりと文字で埋め尽くされていた、目を覆いたくなるほど残酷な殺人の記録でした。

上の日記を見つけて、亮介は以下のような疑問が頭をよぎります。

・「ユリゴコロ」とはなんなのか?創作なのか、それとも事実に基づく手記なのか

・「ユリゴコロ」を書いたのは誰なのか?

・黒い髪束は誰のものなのか?死んだ母親は白髪だった。母親が若い時の髪なのか。

母が入れ替わったのかもという幼い頃の疑い

日記の発見とともに、亮介はこれまで母親に抱いているある違和感も思い出します。

それは、亮介が4歳の時に、長期間入院していた時のことに感じた思い出=「母が別の人に入れ替わってしまったような気がした」という記憶です。

ユリゴコロを書いたのは誰だ?

「私」を主語として、綴られた数々の殺人を起こしな生々しい記録「ユリゴコロ」。

最初は創作のような気がしますが、あまりにも真に迫った内容に、フィクションではなく、本物の手記だと思います。

当然亮介は、殺人鬼の半生「ユリゴコロ」を誰が書いたのか?という疑問を持ちます。

・もしかして父親かもしれない

・だが文章的には、女が筆者だとも考えられる

そして手記を読んでいく中で、筆者の特別な人「アナタ」が登場します。

「アナタ」とはこれまで読んできた手記の内容から考えると、確実に亮介の父親だ。

つまり書き手の線は、父親でなく、実の母親か以前の母親かどちらかとなる。。。

後半は一転して「愛の物語」に

ユリゴコロを巡って手記は続きます。

確かにそこに書かれている内容は、恐ろしい出来事ばかりです。

ところが日記の中盤に差し掛かるころ様相が変化します。

それはちょうど手記の中の『私』が、アナタという人物に出会ってからです。

そして亮介は日記を読む進めるうちにある事実に気がつきます。

それは

私=実の母親

アナタ=父

だという関係性です。

※ネタバレ注意!小説『ユリゴコロ』の衝撃的な結末

ユリゴコロとは?

ユリゴコロに書かれていたのは、人間の死でしか、心の空白を満たせない美紗子という女性の衝撃的な告白でした。

それは通常の私たちの感覚とは程遠いほど、残酷で醜くて、到底許せる類の行為ではないです。

しかしながら、その反面“ユリゴコロ”とは、主人公が探し求めた飽くなき空白を埋めるために繰り返し行う行為でもあります。

ユリゴコロについて、小説では次のように語られます。

ユリゴコロなどという言葉が実際にないことはもちろん知っています。。。子供の頃の医師はきっと、<拠りどころ>と言ったのだと、今では思っています。<感覚的なヨリドコロ>とか<認識のヨリドコロ>とか<気持ちのヨリドコロ>とかがこの子にはないのだと。

けれど今となってはそんなことは全然問題ではありません。

ユリゴコロとは私のなかの私だけの言葉として、根を下ろしてしまったのですから。

それは普段の私に欠けているものすべて、言葉ではどうしても言い表せないものすべてを表すための言葉です。誰かの命が消えていくときに生じる、あの信じられない現象を示すのに、ほかにどんな言葉があるでしょう。(P47)

ユリゴコロは小説内では、このように抽象的に語られているだけであって、明確な答えは示されません。

ところが「みんなが持っているらしいもの」であり、「私もみんなと同じくユリゴコロを手に入れたいもの」なのです。

つまり、ユリゴコロとは、『ユリゴコロを感じ取った人にしか分からない、満たされていない状態=空白・欠如感』ということです。

ここで大切なのはユリゴコロとは、あくまで満たされていない空白・欠如の状態ですから、それを埋めるために繰り返される行為は空白・欠如を埋めることができないというジレンマです。

本当の意味でユリゴコロを手に入れるためには(手にはできませんが)、ユリゴコロ自体を捨ててもいい、別の感覚(愛とか)に満たされる必要があるのです。

母親は入れ替わったのか?

本作では「日記を誰が書いたのか?」という主題を中心として、物語は一種の推理小説的な展開で進んでいきます。

なお結末は最終的に以下のようなかたちをむかえることになります。

・本当の母・美沙子は殺人鬼として、親を含めた肉親に殺される。

・母親の妹が、美沙子(日記の私にあたる人物)と入れ替わり、母親代わりに亮介を育てる

⬇︎

・ところが美沙子殺されていなかった。つまり、美沙子は殺される直前に父親から逃げるように言われ、名前を変えて生きている

・そして、実はドッグラン付きの喫茶店で働く細谷さんこそ、美沙子

この事実が最後の最後まで隠されて面白みを増していきます。

小説『ユリゴコロ』の作者は沼田まほかるさん!

本作の原作者は沼田まほかるさんです。

なお、本作は第14回大藪春彦賞受賞しています。

いわゆるまほかるブームの火付け作品にもなったのが、本作なのです。

小説『ユリゴコロ』の読みどころ

手記の部分がめちゃくちゃ面白い

小説の構成としては、

最初→亮介の置かれている状況の説明とユリゴコロの出会い

その後→亮介が読み進める手記と亮介の”いま”の日常が交互に書かれる

になっています。

でもユリゴコロは、何と言っても手記の部分が読み応えがあって、時間も忘れてどんどん物語に引き込まれていきます。

というのも、「あっ続きが知りたい!」ってところで亮介の日常に引き戻され、ちょっとずつしか事件の真相が明かされないからです。

先ほどネタバレで紹介した事実は、正直勘が鋭い人でもなかなか思いつかない大どんでん返しなんですよ。

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