小説『四月になれば彼女は』あらすじ・感想レビュー丸わかり【作者は?名言あり!】

たかりょー
こんにちは、年間100冊以上の小説を読むたかりょーです。

本記事は、小説『四月になれば彼女は』をまだ読んでない人や、これから読むという人に向けた内容になっています!

この記事内に書かれていることは?
・『四月になれば彼女は』のあらすじと登場人物
・『四月になれば彼女は』はどんな人におすすめの小説か?
・『四月になれば彼女は』の作者紹介
・『四月になれば彼女は』の感想・レビュー
「恋愛なき時代のベストセラー恋愛小説」
と世間から言われるほど、このめちゃくちゃ恋愛に特化した小説です。
主人公は精神科医の藤代。
彼の元に大学時代の恋人ハルから手紙が届くことからはじまります。

とにかく文章が美しくて、情景描写も鮮やかで読みやすい小説ですよ。

目次

小説『4月になれば彼女は』はこんな人におすすめの小説

・胸をえぐられるほど切ない恋愛小説を読みたい人

・一つ一つの言葉が美しく、心にグッとくる小説を読みたい人

・独特の世界観をもち、どんどん物語に惹かれていく恋愛小説を読みたい人

・今付き合っている・婚約しているんだけど、自分の気持ちが少し分からなくなっている人

小説『四月になれば彼女は』詳細あらすじ結末

藤代のもとに4月、大学生の頃はじめて付き合った元カノハルから突然手紙が届く。

その手紙は、奇跡の絶景とも呼ばれるボリビア西武の町ウユニ塩湖から送られたものだった。

そこには初々しい恋愛のはじまりから、付き合っていた当時の思い出まで、丹念に綴られている。

藤代は手紙を読むなかで、大学時代の瑞々しい恋の記憶が蘇ってくる。

 

だが、現在。

藤代には1年後、結婚する婚約者の弥生がいた。

だが彼は迷っていた。

「ほんとうに彼女を愛しているのか」「このまま結婚していいのか?」

彼女とは2年間セックスレスで、どこから心の行きちがいが増えている。

 

なぜ、ハルは今さら手紙を送ってきたのだろうか?

という

弥生と結婚するべきなのか?

愛するとはなにか?

同じ人を長年愛しつづけることは可能なのか?

失った恋に翻弄される12か月がはじまる―なぜ、恋も愛も、やがては過ぎ去ってしまうのか。川村元気が挑む、恋愛なき時代における異形の恋愛小説。

恋愛小説『四月になれば彼女は』登場人物

藤代(ふじしろ)

本作の主人公。

大学病院で精神科医として勤務している。

みんなからフジと呼ばれている。

4月にはじめて付き合った元カノから手紙がきたが、翌春に控えた、結婚する婚約者弥生がいた。

2年間セックスレスで、婚約相手のことを愛しているのかがわからない

12ヶ月間、失われた恋に翻弄されるお話

ハル

彼女の撮った写真は色素が薄い

藤代とは大学生時代、同じ写真サークルに所属し、交際することに。

現在は世界中を旅をしている。

藤代・ハル互いにとって初めて本気愛した相手。

藤代にとっては『過去』の時間軸における恋。

「永遠なる女性」「永遠の憧れの異性」の象徴でもあり、心理学的なアニマとしてもとらえられる。

弥生

藤代の婚約者。

藤代と付き合うまでは他の男性と婚約していたが、それを破棄した。

物語ではそれに近い行為(結婚を前に藤代の前から消え去る)を彼に対して行う。

藤代にとっては『現在』の時間軸における恋であり、藤代に「愛するとは何か?」「愛は続くものか?」を目の前で問いかけ続ける役割として重要。

ハルとは対極の位置に存在する。

タスク

藤代の友人でバイセクシュアル。

藤代とは五年前の夏に友人のホームパーティーで出会う。

それから二ヶ月に一度ほどのペースで2人は酒を飲むようになる。

セックスや恋愛について語ることが多いが、「恋愛は物語のなかにしかない」「自分がいちばん大事」という自論をもつ。

ただ愛に対して餓えている様子も小説内では感じられる。

奈々

藤代の後輩。

手足が長く、ショートヘア。

たまご型の顔はとても小さい。

世の多くの男性が目に止めるほどの美貌の持ち主。

だが、知的な雰囲気をまとい、どこか決定的に異性を拒絶するような空気を纏っている。

愛やセックスに対する辛辣な意見をもつ

4年以上恋人がおらず、異性との関係も持っていない

 

時を同じくして妖しい弥生の妹から甘ったるい悪魔的なささやきや、職場の同僚の恋模様も語られる。

小説『四月になれば彼女は』の考察と個人的感想

一瞬でも熱烈な愛があれば、それはいいのである

一貫して「恋」をテーマにして語られます。

・人は長年同じ人を愛し続けられるのか?

・なぜ恋は過去に過ぎ去りゆく中で失われていくのか?

これって、現代だけじゃなくて、昔からある普遍的な問題ですよね。

恋愛って、一瞬間はとても激しくて、衝撃もめちゃくちゃでかい。

この人と入れるなら、私今死んでも構わない

なんて恋に全身を乗っ取られた人は思うことでしょう。

恋愛を前にして、人間は悲しいくらい生身にされてしまう。でも僕は、それこそが美しいと思いました

と著者の川村元気さんがメッセージで語っていますが、まさにそうです。

恋すると、人はある意味で異常になる。

つまり自分という存在以上のものが目の前に現れることで、私という人間が分裂してしまうわけです。

また自身を顧みることが増えるため、より「私という存在を意識する」ことになる、人間の弱さに向き合う必要性が出てくるんです。

主人公の藤代も、ハルの手紙が届くことで、徹底的に愛というものを問いただされ、苦しみます。

それは自分自身をもう一度受け止めなければならない

小説の帯にある新海 誠さんの言葉、

音もなく空気が抜けるように、気づけば「恋」が人生から消えている。そんな時僕らはどうすべきか?

これはまさに今回の『四月になれば彼女は』の本質だと思います。

恋はなぜ忘れていくのか?

「昔はあの人のことをあんなに愛していたのに、いつの間にか忘れてしまった」

皆さんも人生の中でこんな経験したことないですか?

・人を愛し続けることの難しさ

・人を思い続けることの奇跡

これらのことは、僕自身もそうですし、これまで小説でも、映画でも、幾度となく取り上げられてきた題材でもあります。

本作でも、なぜ恋は過去に流され、忘れ去られていく運命にあるのか?という部分を語り手である藤代を通じて学び直すことができます。

相手を愛するは死に近づく?(ちょっと難しいです)

小説を読むと「恋愛とは、人間が抱える解き難い矛盾な行為」だと断定したくなります。

本作の後半に以下のような名言があります。

生きているという実感は死に近づくことによってハッキリとしてくる。この絶対的な矛盾が日常のなかでカタチになったのが恋の正体だとボクは思う。人間は恋愛感情のなかで束の間、いま生きていると実感できる。P231

生と死は対立構造として両極に存在しています。

ところが死に近づくことこそ『命とは尊いものだ』と生を強く実感できます。

つまり死する存在だという自覚は、それを通じて”生きることの根源”に近づき、本来的な自己に立ち返られるというわけです。

 

上記の名言では、死に近づく=日常のなかでカタチになったのが恋、という図式で語られています。

この点、とても難しいのですが、簡単にいえば、恋とはある意味「自分自身を忘れ愛する人のことを全力で思う」ということですので、ある意味「自己を殺す行為」でもあるわけです。

『わたしよりもあなたを』という精神により、自己をあなた(2人称)に埋没させるわけです。

ここには一種の自己陶酔(エゴイズム)が混じっていますが、何と言っても、死に近づく感覚を味わえるわけです。(極端に恋にのめり込んだ人は心中など、自己破壊に対しても鈍感になるのが、いい証明になるかと思います)

 

では人間とは、なんなのか?を考えた時に、ホメオスタシスに代表されるように「命を継続させ、安定させよう」とする生物学的構造があります。

しかし先ほど伝えたように恋は「自己を殺す、自分を捨てる」行為に走ることですよね。

つまり、恋とはびっくりするくらい矛盾な行為であるわけです。

小説『四月になれば彼女は』作者は川村元気

小説『四月になれば彼女は』作者は、『世界から猫が消えたなら』や『億男』の著者として有名な川村元気さんです。

硬い文章というよりかは、空気のように軽やかでふわっとした雰囲気の文章を書くイメージです。

なお小説家としての顔以外にも、有名映画のプロデュースや企画、脚本に参加されています。

■デトロイト・メタル・シティ

■電車男

■告白

■悪人

■何者

■君の名は

■モテキ

■おおかみこどもの雨と雪

■怒り

言わずと知れた名作映画ばかりですよね。

つまり、日本のヒットメーカーの1人というわけです!

川村元気
1979年横浜生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業。大学卒業後、東宝に入社。2006年に「電車男」を企画、製作後、日本アカデミー賞最優秀作品賞に選ばれた「告白」や毎日映画コンクール 日本映画大賞に選出された「悪人」などヒット作に携わる。2011年「藤本賞」を史上最年少で受賞。

小説『四月になれば彼女は』の感想・レビュー

ツイッター上の感想・レビュー

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https://www.instagram.com/p/B_WtRv2B1Gd/

https://www.instagram.com/p/CFDkJkyJHjb/

小説『四月になれば彼女は』は読書感想文にぴったり?

こちらは結論、読書感想文にぴったりの作品です。

なぜなら、物語自体が面白く、内容も難しくないからです。

そもそも読書感想文がかけない!って人にとって「本を読み切る」ってことが大変ですよね。

もし読むのになれてない方だと、頭に物語が入ってくること自体ができないって人もいるかと思います。

その点、『四月になれば彼女』に関しては”恋愛”とか”恋”というすごくみじかな題材+小学生・中学生でも十分に読みごたえのある作品です。

だから、おすすめできるんです。

小説『四月になれば彼女は』のタイトルは、サイモン&ガーファンクル『April come she will』から!

タイトルはサイモン&ガーファンクル『April come she will』からきています。

歌詞は以下に紹介しておきますね。

『四月になれば彼女は』

April come she will
When streams are ripe and swelled with rain;
May, she will stay,
Resting in my arms again

June, she’ll change her tune,
In restless walks she’ll prowl the night;
July, she will fly
And give no warning to her flight.

August, die she must,
The autumn winds blow chilly and cold;
September I’ll remember.
A love once new has now grown old.

川村元気さんは

「ポール・サイモンが4月から9月までしか歌わなかったので、その続きを書こうと。恋が失われた後をどう男女が生きていくのか」

とインタビューでおっしゃってます。

『月になれば彼女は』名言!頭に残る意味深い言葉の数々

ハルの世界観-P23

わたしは雨の匂いとか、街の熱気とか、悲しい音楽とか、嬉しそうな声とか、誰かを好きな気持ちとか、そういうものを撮りたい(ハルの言葉)

「ふたつの異なるものが重なり合う瞬間」P59

暗い空に浮かぶオレンジ色の雲。眩しい砂浜に濃く落ちる人影、無人のゲームセンター。泣きながら笑っている子供。雨の交差点に差し込む太陽の光。人も、物も、時間も色も音も。「ふたつの異なるものが重なり合う瞬間」を、ハルは薄い色の世界のなかに閉じ込めていった。

サイモン&ガーファンクル-P88

夜の海は墨を流したように真っ黒で、波の音は昼よりも乱暴な音をたてて砂浜へと追ってきていた。その波の音のはざまから、かすかに歌声が聴こえてきたのです。歌声の方へと歩いていくと、大島さんがひとりで砂浜に座り、ウクレレを弾きながら海を見ていました。

・・・

優しいメロディーの英語の歌。その歌を聴いているうちに、荒々しく聞こえていた波の音も、いつしか穏やかなものに変わっていきました。

歌い終わった大島さんに、わたしは曲名を訪ねた。

四月になれば彼女は、と大島さんは教えてくれました。サイモン&ガーファンクル。

四月にやってきた彼女に僕は恋をした。けれども次第に彼女の心は遠ざかり、やがって去っていく。それでも僕は、あのときの気持ちを忘れない。

愛やセックスに対する手厳しい意見-P99

「彼らに限らず、ほとんどの人が結婚とかセックスに期待しすぎているように思います。それらが自分を幸せにしてくれるものだと勘違いしているというか・・・多くの人が恋に落ちるとかセックスすることと、愛するということを混同しています。ただ頭に血が上った状態でしかないのに、それが愛の強さの証拠だと思い込んでいる」(奈々の言葉)

結婚=情に変わるもの?-P107

弥生「結婚って、きっと束の間よね。式が終わればすぐに生活がやってくる」

藤代「その生活をはじめるために必要な儀式なんじゃない?みんなの前で愛を誓うことで責任も生じるし」

弥生「確かにね。でも愛とか言っても、すぐに情に変わっちゃうもんなんでしょ?」

藤代「それが家族になるってことかもよ」(弥生と藤吉の会話)

愛するって難しい!と思う名言-P126

でもフジさん。人間ってのは本当に怖いですよ。憎んでいる人より、そばにいて愛してくれる人を容赦なく傷つけるんだから・・・僕も愛とか言っちゃってるけど、きっとひとりを愛することができないだけなんですよ。こうやって誰かとセック巣について話したり、物語のなかで愛を感じることができても、そばにいる人はうまく愛せない(タスクの言葉)

愛は完全に確認しあえるものではない-P136

確かに。愛し合っているということは誰も確認することができない。それはお互いの心のなかにしかない(藤代の言葉)

その人と一緒にいたいという気持ちが大事-P143

分かり合えていることがすべてではないと俺は思う。わからないけれども、その人と一緒にいたいと思う。少しでも知りたいと思える。(大島の言葉)

「好きになる→別れる→悲しい結末」の繰り返し=恋愛-P198

ほんとにややこしい本能だよね。私も、いつか誰かを好きになって別れて。悲しい結末がくることがわかっているのに、同じことを繰り返してる。そのあたりの学習能力のなさは、ここにいる動物いかなんだろうね。(弥生の言葉)

手に入らないものを愛する→人間の本能?-P198

愛を終わらせない方法はひとつしかない。それは手に入れないことだ。決して自分のものにならないものにしか、永遠に愛することはできない。

弥生の手紙-P223

私たちは愛することをさぼった。面倒くさがった。

些細な気持ちを積み重ね、重ね合わせていくことを怠った。

このまま、私たちが一緒にいることはできない。

私は失ったものを、取り戻したいと思っています。

たとえそれが、カケラだとしても

心と体の乖離について(死、不安)-P229

人間は体と心が乖離すると混乱する生き物なの。だから人は死ぬとわかったとき、はじめはその乖離により苦しむ。体が先に弱り、死に近づく。そのときが一番苦しい。心が置き去りにされることに耐えられない。でもやがて、心が追いつくときがくる。そして並んだときに、安定が訪れると私は思っています。(中河の言葉)

愛の言葉(超名言!!)-P265

わたしは愛したときに、はじめて愛された。

それはまるで、日食のようでした。

「わたしの愛」と「あなたの愛」が等しく重なっていたときは、ほんの一瞬。

避けがたく今日の愛から、明日の愛へと変わっていく。

けれども、その一瞬を共有できたふたりだけが、愛が変わっていく事に寄り添っていけるのだと思う。

生きている限り、愛は離れていく-P273

わたしは愛したときに、はじめて愛された。

生きている限り、愛は離れていく。避けがたく、そのときは訪れる。けれども、その愛の瞬間が、いまある生に輪郭を与えてくれる。分かり合えないふたりが一緒にいる。その手を握り、抱きしめようとする。失ったものは取り戻すことはできないのだとしても、まだ2人のあいだに残っていると信じることができるもの、そのカケラをひとつひとつ拾い集める

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