今回は上記にような要望を解決していきます。
先日僕は以下のようなツイートをしました。
#読了
レインツリーの国読み終わりました特別な本を通じて、結びついた男女2人の恋愛模様を描いています
テーマとしては「障害」がメインにあります
・健常者と障害者との隔たり
・ハンデを負う人の心情や世界の見方・捉え方を理解できる作品です😌#読書好き #読書好きと繋がりたい #有川浩 pic.twitter.com/hjCUZ8dcua
— たかりょー|読書大好き・映画大好き (@RyoooooTaka) February 19, 2020
『レインツリーの国』の基本情報
作品名:レインツリーの国
著者:有川浩
ページ数:238ページ
出版社:新潮社
スタイル:文庫(単行本あり)
ジャンル:恋愛文学
定価:文庫→¥473
レインツリーはライトノーベル作家の中では特に有名な有川浩さんの作品です。
有川浩さんといえば、
・図書館戦争シリーズ
・三匹のおっさんシリーズ
・阪急電車
・フリーター、家を買う。
・空飛ぶ広報室
などが有名ですよね。
『レインツリーの国』はこんな人におすすめ
『レインツリーの国』の登場人物
向坂 伸行・・・ハンドルネームは「伸(しん)」。実家が美容院。中学生の頃に読んだライトノーベル『フェアリーテイル』のファンで、物語の結末への考えに共感して利香にメッセージを送る。生粋の大阪人で、人を見た目・外見だけで判断しない。心を偽ることなく、堂々と自分の感情や思いを言葉にするタイプ。父親を亡すというつらい過を持つ
人見 利香・・・ハンドルネームは「ひとみ」。ブログ「レインツリーの国」の管理人。伸行と同じく『フェアリーゲーム』のファンであり、伸行からのメールに返信をして、徐々に仲を深めていく。高校生の時に、不慮の事故で耳の障害を患う。補聴器をつけて生活を送るが、周りの目を気にして、髪を伸ばして隠す。健常者と障害者は分かり合えないとい気持ちを強くもっている。
『レインツリーの国』のあらすじ【
ネットという特別な空間で交わされる、一途でピュアな恋愛物語。
『レインツリーの国』の個人的感想
01.ネット民の恋愛
02.身体的なハンデを抱えた人の心のうちがわかる
03.伸行の真剣さ。真正面から向き合う大切さ
04.ひとみの成長←信行と向き合うことで
それぞれ詳しく解説していきましょう!
ネット民の恋愛
身体的なハンデを抱えた人の心のうちがわかる
レインツリーの国では身体的なハンデを抱えた人が、どんなことに苦しみ、どう世界を眺め、生きているのかを考えるきっかけになります。
登場人物のひとみは感音性難聴という聴覚障害を抱えており、障害歴は10年ほど。
高校1年生の時に事故で患ってからは、多くの苦難に遭遇しながらも、乗り越え(あるいは隠れて)、耐えて生きています。
例えば以下の文章
障害は恥じゃない、隠さなくてもいいと身内にも同障者や健常者の方にもたくさん言われたことがあります。伸さんが私に言うようなことは、もう誰かが絶対に言ったことなんです。
それでもやっぱり私は、恥なくていいはずの障害で恥ずかしい思いや嫌な思いをいっぱいしたし、私は伸さんの悪意を疑っているんじゃなくて、世の中の信じることが恐いんです。信さんは違うって信じることがもう恐いんです。p102
健聴者がどれだけ、聴覚障害の人を思いやった言葉をかけても、それは”健聴者からの意見”にすぎない。
ここに埋められない健常者と障害者のギャップがあります。
また良かれと思った優しい行為も受け取られ方ひとつで、相手を傷つけることだってあります。
例えば、ひとみがカップルに後ろから突き飛ばされたのに激昂した信之が、
今お前が突き飛ばした耳に障害持ってんねんぞ
と大声をあげて抗議し、謝らせようとします。
普通、これはひとみを守ろうとする正義の言葉だと思うはず。でも当のひとみは違う受け止めた方をします。
大勢の人が注目している前で、私の耳のことなんて言いふらさないで、、、天誅でも下してやりたかったの?、、、ああいう人が私の障害を知らされたからって、後からでも『知らないからひどいことしちゃったね』なんて思うと思いますか?あいつらキレイごと押しつけてウザい、むかつく、恥かかされたくらいにしか思いませんよ。
聴覚障害者として日常生活を体験し、生きていた人だからこその視点ですし、ここには一種の諦めがあります。
このようにレインツリーの国は、身体的なハンデを持った人の思考や心情、あるいは、親しい人がどうやって彼/彼女を受け止めていけばいいのかを学べる小説です。
伸行の真剣さ。真正面から向き合う大切さ
信之はひとみから何度も拒絶されます。
・健聴者の人なんか私の気持ち、わからないでしょ?
・私がどれだけ今まで苦しんできたか分かってる?それを言葉的な優しさだけで片付けられない。
・生きている世界が違うの、健常者と障害者のギャップは!
・私の障害を本当の意味で信之さんが慰められることなんてできない
という風に。
しかし信之は諦めずにひとみの心をなんとか開こうと努力します。
その懸命な姿に、フィクションなんだと分かっていても「頑張れ〜」と心から応援してくなりますし、正直、『信之の言葉』は、僕たちの日常辛いことがあった時の支えになるメッセージがたくさんあります。
理想の人なんかおれへんよ。単に条件が違う人間がいっぱいおるだけや。そのなかには人間できてない人もおんなじようにいっぱいおるよ。ていうか、できてる部分とできてへん部分とそれぞれ持ってるんちゃうかな、みんな(P125)
でもやっぱり俺も人間やから、むかつくところもあんねん。だからケンカしょうや。仲直りするためにケンカしょうや。(P125)
俺は、俺と似てて少し違う言葉を使う君という人に、どうしようもなく惹かれただけなんや(P171)
ひとみの成長←信行と向き合うことで
信行のひたむきな言葉に、ひとみはある事実に気づくことになります。
どうせ健聴者には、聴こえない辛さは“絶対に”理解してもらえない。だからどげのある言葉で当たっても大丈夫。
本当の意味で「聴こえない」という体験を信行はできない。だから私よりも悩みは小さいはずだし、本当の意味で私を知ることなんてできない。
とはいえ、ひとみは確実に『信行を1人の男』として愛してしまっています。
好きという感情は、障害者や健常者関係なく、抱く自然な感情です。
でも『障害である自分』を丸々さらけ出すのが怖い。
だから強い言葉を吐いて、拒絶しようとする。
ここにハンデをもった人の複雑な心境が分かりますよね。
でもひとみはいつまでも障害に逃げよう・こもろうとはしません。
私も聴覚障害者ではありますが同時に年頃の女性でもあるので、今よりマシになれるものならなりたいです。(髪を切って)補聴器を見せることを視覚障害者の方の白い杖のように、周囲に分かりやすくアピールできるなら、それも生活の上で楽になりそうだし。
“髪を短く切る”行為は、補聴器を世間の人に見せることになります。
つまり、「私は障害をもっている」とを伝えると同義です。
でも、それを自分からしようと決断したひとみは、聴覚障害者を引け目に取らずに、向き合おうとする姿勢が感じられます。
レインツリーの国はひとみの成長期としても読むことができるのです。
他の読者の感想をピックアップ
ほんと〜に優しい物語
優しい物語が読みたくて久しぶりに。
有川浩『レインツリーの国』#読書好きな人と繋がりたい pic.twitter.com/f1tF7PHgiY
— ぼん。 (@bon_dayo_) December 18, 2019
ハンデを抱えている人の気持ちがわかる
ヘルプマークや障がいについて
学ぼうと思い調べたところ
有川浩さん著作『レインツリーの国』がとても良い本だと思いました。
障がいを持っている方がどのような苦難を抱えているのか、周りはどう支えられるのか考えるきっかけにもなりますし、恋愛小説としても読めるので
ぜひ手にとってみてください pic.twitter.com/Vl5n7Sn4nU— コウタ (@1OYyuZELR61uDZA) February 1, 2020
まとめ
有川さんのレインツリーはすごく面白くて、ついつい何時間も読んでしまう本です。
単なる恋愛小説ではなく、学びもいっぱいあるところはやはり大きいと思います。
ぜひ皆さんもお時間がある時に読んでくださいね。