小説はアウトラインから書いたほうがいいの?【初心者向け】

小説のアウトラインを書く

・小説ってよくアウトラインから書いたほうがいいっていうけどほんと?

・小説家って計画を立てず、ゼロからスタートしている人っているよね?だからアウトラインいらないでしょ?

・アウトラインなんて決めちゃうと、執筆を楽しめないんじゃない?

この記事ではこんなお悩みを解決する内容をご紹介しますよ。

 

僕自身、趣味で小説を書いています。(趣味と言いながらも本気で賞を取ろうと挑戦し続けています)

これまでの体験から、『小説を書く前にアウトラインは決めておいたほうがいいのか?』その点をお伝えします。

目次

【結論】初心者ならかならずアウトラインを書こう!

なぜなら、僕たちのように天才でなく凡人である限り、執筆途中で、何をどういう順番で書き進めればいいのか分からなくなるからです。

特に初心者の方はこういうことが起こりがちです。

 

小説ってゼロから形作っていくものなので、いざスタートしても、ゴールまで長い長い道のりがあります。

なので、最初は順調に進んでいても、半ばくらいでダラけることって結構あります。

ダラけてくるとどうなるか?

書けない!

書きたくない!

才能ない!

って大きな声を出すことになります笑

アウトラインってそもそもなに?

そもそもアウトラインって、どんな意味なの?

アウトラインとは、小説で起きるシーンをそれぞれ短い言葉で書き表した概要です。

例えば、以下の通り。

 

1.中学校の校庭。アリサは修二と何気ない会話をしている。突然、修二が手を握る。アリサはなぜ修二が手を握ったか分からない。

2.アリサの自宅で幼馴染のミナに相談する。突然、手を握られたの!すると男の子の気まぐれじゃない?とミナは結論する。

3.1ヶ月間、アリサと修二はお互いに口を聞かない。その間、アリサは修二を気にするようになる。

4.ある日の夜、修二から電話があり、ミナと付き合ったことを打ち明けられる。アリサはそうなのと答える。

5.次の日、ミナは何もなかったように修二と付き合ったという。アリサはミナの汚い一面を知る。

このように、小説の各シーンごとで、どんなことが起きるのかを骨格として、言語化しプラン立てていきます。

すると、なんとな〜くですが、ストーリーの形が見えてきますよね。これがアウトラインです。

なぜアウトラインから書くべきなのか?

ではもっと具体的になぜアウトラインを書くべきなのか、その理由は以下の通りです。

・書いている途中に行き詰まることがなくなるから

・読ませどころをあらかじめ用意できる

・登場人物の性格や心の変化を読者目線で作れる

・物語にバランスとまとまりが生まれる

それぞれ、詳しく説明していきますね。

書いている途中に行き詰まることがなくなるから

先ほどもチラッとお話ししましたが、初心者の方が小説執筆中に起こりがちなのは、

・あれ?最初のほう書いてた内容ってどんなだったっけ?

・物語をどうやって展開させよう?

・あれもこれも入れてどんどん長くなる

・中盤まできたけどどうやって終わらせよう!?

このような書いている途中に、多くの迷いが生じる現象です。

アウトラインは物語のロードマップの役割をしてくれます。

だから文章がグタグタしたり、どう処理したらいいのかと苦しみのを防いでくれます。

読ませどころをあらかじめ用意できるから

ほんとうに上手い小説を読んでいると、物語の冒頭で注意を引き込まれる。

そして「あれ?いつの間にか読まされている?」とに気づきます。

それこそ、まるで小説家の魔法にかけられて、指揮棒を振るとおりに、悲しんだり、怒ったり、笑ったりしてます。

 

アウトラインは、ストーリーをどう進めるかをあらかじめ決めておくので、

・この場面は読ませたい場所。だから読者をグッと惹きつける綿密な描写が必要だ。

・前半に登場人物を紹介して、中盤に物語を大きく変化させよう。

・結末を決めてるから伏線はこのあたりで張ろう。回収する場所も決めよう。

と読ませるポイントや伏線の位置を設定しておくことができます。

 

その結果、ストーリが平坦にならず、強弱をつけられるので読者をぐっと小説世界に引き込むことができます。

登場人物の性格や、心の変化にブレがなくなるから

読者は物語を読み進めていくなかで登場人物を体験し、共感し、内面の理解を深めていきます。

もしアウトラインを書かず、登場人物を描くとどうなるでしょうか?

登場人物の性格に一貫性がなくなったり、心の描写にムラが生まれたりします。

なぜなら、初心者の方はその日の感覚に頼り切って、時々の気分のまま描写をしていくからです。

 

登場人物は、生きている私やあなたのように、リアルな感情をもち、行動しています。

なので、辻褄の合った性格、あるいは、もしその性格が変わるなら、微妙な心の変化を描かなければなりません。

物語にバランスとまとまりが生まれるから

アウトラインは「何が起こるのか」をシーン毎に書く、物語のあらましです。

アウトラインを書けば、ストーリーの大筋を把握することができます。(なお、シーン毎に出来事を挿入し、深掘りするのがプロットです)

つまりアウトラインはストーリーの『骨格』ということですね。

だから、アウトラインを先に詰めておくと、物語全体がバランスとまとまりをもって、流れもロジカルに進められます。

アウトラインを構築のポイント

 

以下に代表的なアウトラインの構築方法をご紹介しますね。

項目は以下の4つです。

方法1.まずは物語全体を要約する

方法2.シーンのアイデア出す

方法3.そのシーンの中で起きる出来事や心の変化を書き出す

方法4.時系列ごとに各シーンをつなぎ合わせる

以下で具体的なご説明をしていきますね。

方法1.まずは物語全体を要約する

物語は一つの全体です。アウトラインはその全体をシーンでつなぎ合わせるいわば“ピース”のようなもの。

だから、最初にあなたが書きたい物語を言語化して要約しておくだけで、アウトラインは確実に作りやすくなります。

例えば、キャサリンマンスフィールドの代表作を園遊会なら、、

楽しく華やかな園遊会の日にローラの心を占めていたのは、貧しい家族を残して事故死した近所の男の子だった。感じやすい少女の人生への最初の目覚めを描く。

このように物語全体を最初に要約しておくことで、

・この物語に必要なシーンってなんだろうな?

・ローラってどんな人物にしようかな?

・ローラの周りの登場人物とどんな関係性を作ろうかな?

などアウトラインに必要な要素を想像しやすくなります。

それをシーンに落とし込めばいいわけです。

方法2.シーンのアイデア出す

あなたは「小説を書こう!」と思ったわけですから、書きたい物語がかならずあるはずです。

その全体像を方法1では簡単な言葉で要約しました。

なので次に考えなくてはならないのが、

どんなシーンを設定すれば物語がイキイキしてくるのか?

を考えることです。

アウトラインはシーンをつなげて、一つの物語全体を構築していきます。

だから物語を生かすも殺すも『各々のシーン』が命といえます。

とはいえシーンの良し悪しに100%の正解はありません。

なので初心者はまずシーンのアイデアをできる限り多く出して、自分が書けそうなシーンを取捨選択しましょう。

方法3.そのシーンの中で起きる出来事や心の変化を書き出す

アイデア出しの中で、

これは良さそうだ!シーンとして書けそうだし使えそう!

と思ったシーンがあれば、シーンごとに具体的に起きる出来事を箇条書きでもいいので書き出していきましょう。

 

例えば、キャサリンマンスフィールドの園遊会の前半、庭で天幕を貼るシーン。

以下にどんな出来事や心の変化が起きるのかを列挙しておきます。

・「どこに天幕を貼りましょうか?」と職人がローラの母親に聞く。

・今年は「何もかも子供達に任せようと思ってるの」と母親。ローラが任されることに。

・ローラとは違う身分の4人の職人とのやりとり。「大丈夫ですよ。私たちは噛みつきなどしません」

・なんてうちとけて、なんていい人なんだろう!とローラ。

・職人がラヴェンダーの小枝の匂いを嗅ぐ

・ラヴェンダーの匂いに心をとめる。「なんて素晴らしい人」と感じる

・でもそれを思うこと自体、階級差別をしていることに気づく

・電話がなり急いで家に戻る→玄関口父と兄に出会う(次のシーンへ)

上記はちょっとプロットを考えるに近づいていますね。

ただアウトラインにより具体性をもたせるために、シーン毎の概略でも良いので詰めておきましょう。

方法4.時系列ごとに各シーンをつなぎ合わせる

“シーン”をいくつかを設定したら、あとは時系列順につなぎ合わせていきます。

ここで大切なのが、シーンのなかに「葛藤」や「対立」のような“物語を違う方向に変化させる”シーンを入れることです。

「葛藤」や「対立」とは例えば、キャサリンマンスフィールドの園遊会なら、

屋敷の前の通りで死亡事故がある→パーティーの中止をローラは訴えるが反対を受ける

これが物語を違う方向に変化させている要素ですね。

最初は、

そして、結局のところ、天気は理想的だった。天気に命令することができたとしても、その日よりガーデン・パーティーに向いている日というのは期待できなかったに違いない。風はなく、暖かく、空には雲がなかった。空の蒼さをわずかに和らげているのは、夏の早い頃の空に時々見られるような、淡い金色の靄だけだった。

このような描写があり、その後、

・パーティーに向けてイキイキと準備をしている様子

・サンドイッチとシュークリームといった食べ物の詳細な描写

などでポジティブに作品を進めていましたが、「事故」によって物語の様相がガラッと変わる。

物語は単調に進むと読者は飽きてしまうので、何か出来事を起こし、その登場人物に葛藤させて、それと向かい合う、あるいは乗り越えさせるシーンをアウトラインに含めると面白いストーリが出来上がります。

まとめ

今回は、『小説はアウトラインから書いたほうがいいの?』というタイトルでご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?

以下に今回お話した内容を振り返っておきましょうか。

小説はアウトラインから書いたほうがいいの?→
【結論】初心者ならかならずアウトラインを書こう!

アウトラインってそもそもなに?=ストーリーの骨格。それぞれのシーンで数行で書き出した概略

なぜアウトラインから書くべきなのか?
→書いている途中に行き詰まることがなくなるから
→読ませどころをあらかじめ用意できるから
→登場人物の性格や、心の変化にブレがなくなるから
→物語にバランスとまとまりが生まれるから

アウトラインを構築のポイント
→方法1.まずは物語全体を要約する
→方法2.シーンのアイデア出す
→方法3.そのシーンの中で起きる出来事や心の変化を書き出す
→方法4.時系列ごとに各シーンをつなぎ合わせる

小説を淀みなく書くにはアウトラインは必須です。

ぜひ初心者の方は最初から書き出すのではなく、アウトラインを書いてから小説を書くようにしてくださいね。

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この記事を書いた人

読書好きブロガー。とくに夏目漱石が大好き!休日に関連本を読んだりしてふかよみを続けてます。
当ブログでは“ワタクシ的生を充実させる”という目的達成のために、書くを生活の中心に据え(=書くのライフスタイル化)、アウトプットを通じた学びと知識の定着化を目指しています。テーマは読書や映画、小説の書き方、サウナ、アロマです。

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