最初にPOINT!
・蹴りたい背中の簡単なあらすじが分かる
・蹴りたい背中をすでに読んだ人の感想を知れる
先日、僕はこのようなツイートをしました。
妄想全開のオタク主人公ヨシカが『理想→イチ、現実→ニ』の狭間で、激しく揺れ動きます
ほんとうの愛とはなにか?
ほんとうの恋とはなにか?これらの答えが、もしかしたら見つかるかもしれません☺️#読書好き #読書好きな人と繋がりたい pic.twitter.com/7L19cNGEwQ
— たかりょー|読書大好き・映画大好き (@RyoooooTaka) February 5, 2020
勝手にふるえてろを読了した僕が、あらすじや感想をまとめています。
5分もあれば読めちゃいますので、もしお時間がある方はどうぞ。
勝手にふるえてろの基本情報
作品名:勝手にふるえてろ
著者:綿矢りさ
ページ数:168ページ
出版社:文藝春秋
スタイル:文庫(単行本あり)
ジャンル:恋愛文学
定価:単行本→¥1430 文庫→¥770
表題作は、2010年に第27回織田作之助賞大賞候補になりました。
数々の名作を世に送り出した綿矢りささんの代表作のひとつで、松岡茉優が主演をつとめた映画ことでも有名です。
勝手にふるえてろはこんな人におすすめ
・なかなか恋愛がうまくいかない人
勝手にふるえてろの登場人物
- ヨシカ→26才。彼氏なしで処女。池袋にあるマルエイ経理課に務める。中学生の頃、片思いをしていたイチに対する恋心を捨てきれず、こじらせまくる女。眼鏡をかけて見た目はもの静かで暗く、中学生のころは影のような存在だった。脳内では妄想アドレナリン全開で、時には現実からかけ離れた想像をしている。アニメイトが大好きで、Theオタク。最近ハマっているのはウィキペディアで全滅した動物について調べること。お母さんっ子で、事あるごとに東京から電話をかける。
- イチ→ヨシカの妄想対象であり、永遠の恋人。ヨシカが中学2年の時にクラスが一緒だったが、まともに喋ったことはほぼない。クラスメイトからは愛されキャラとしてイジられかまわれていた。(モテる子とは違ってペット的な扱われ方をしていた)
- ニ→ヨシカを好きだと言い寄る珍しい男。営業課との交流会で知り合ってからグイグイアプローチをかけられる。(実は同期入社だった)目鼻立ちのはっきりした元体育会系で暑苦しいオーラをプンプンさせている。子供っぽい性格で自分に興味のないことは何度もデートを重ねるが、ヨシカは彼をまったく愛していない。
- 来留美→ヨシカの会社の同僚。
勝手にふるえてろのあらすじ
江藤良香(ヨシカ)。妄想力爆発のキュート女子の恋愛物語。
中学生の頃に好きだったイチの事がいつまでも忘れられず、彼氏も作らず(彼氏も作れず?)26才になった今でも処女を守り通す。
オタク期間が長かったため、うまく現実世界に順応することができず、日頃から妄想に1人語りさせる脳内会話ばっかりしている。
そこに現れたのが、暑苦しいタイプのイチ。
恋愛経験ナシ、妄想力以外武器ナシのヨシカを熱烈に愛してくる。
ヨシカは「あんたのことが好きじゃないわ」と思いながらもデートだけは重ねる。(いわゆるキープ)
そんなある日、中学の同窓会が開かれることになり、そこには何と憧れのイチの姿が!
死ぬまでにイチと再開したいと願っていたヨシカはテンションマックスで、大胆な行動に出る、、、
勝手にふるえてろの感想【たかりょーの感想】
01.最強の妄想恋愛小説!
02.愛や恋の名言が多数←心に染みます!
03.ヨシカの心の成長物語
それぞれ説明していきます。
感想01.最強の妄想恋愛小説!
感想02.愛や恋の名言が多数←心に染みます!
わがまま言うな、残酷なこと言うな、恋心の火は火力を調節できないからこそ尊いんだぞ、、、心の片隅ではこんな苦しい説教をする私も含めてぜんぶ愛してほしいと甘いことを考えるだろう。
愛がないセックスだけでも子どもは生まれるのに、どれだけ愛していてもセックスしないと子どもは生まれない。
この年までいやいや守ってきたものがある。貞操だ、、、こんなくだらないものを守らなければならない自分が嫌にはなるが、かといって、いまさらどうでもいい相手と済ませたくはない。処女を捨てたいからって好きでもない人としたら、多分終わってすぐは普通だけど、だんだん取り返しがつかないほど後悔してぶつぶつひとりごとを言うようになり、自分の貞操を探して、毎夜、上野公園の不忍池のあたりをはいずりまわる人生になるだろう。
でも私はイチがよかった。ニなんていらない、イチが欲しかった
もういい、想っている私に美がある。イチはしょせん、ヒトだもの。しょせん、哺乳類だもの。私のなかで12年間育ち続けた愛こそが美しい。イチなんか、勝手に震えてろ
感想03.ヨシカの心の成長物語
勝手にふるえてろは、「理想の恋」と「現実的な恋」とが、はっきり対称的に描かれ、『理想の恋人イチ』と『現実の恋人候補ニ』との間で激しく心が揺れるストーリーになっています。
物語の前半終わりまでは、
イチ→どんなことでもすべて許せるし、すべてが好き!・・・『理想を理想化』
二→ちょっとしたことでも腹がたつ!言動から振る舞いからうんざり!・・・『現実逃避』
という風に、『イチ>ニ』と2人の間に優劣がはっきりとつけられ、彼女の脳内から現実を締め出しているわけです。
ところが物語の中盤で、イチはヨシカの名前さえも覚えていない!と言う事実を突きつけられます。
つまり、理想から現実に引き戻され(理想は単なる妄想・夢に終わります)否応無しに、ニ=現実と向き合わなければならない状況になります。
そして面白いのが、明らかに『イチ=理想』からはなれ、『ニ=現実』とぶつかりあった時の方が、ヨシカの心の本音が、現実の声となって発せられていると言うことです。
「好きになったら、私の内面を知りたいと思わないの。聞いてよ、私がどんなことを思っているのか。どれくらい私がきたない人間なのか、どんな人間かもよく知りもしないうちから告白なんてしないでよ」
いつも妄想で脳内会話ばかりしていたヨシカが、聞いてよ!と現実世界に向かって訴えかけます。
私のことを愛しているんでしょ。こういうこと言うのも私だよ。受け入れてよ
そして『ニ=現実』はヨシカに言うわけです。
おれとの子供作ろうぜ
前後の文を読んでいると突拍子もない発言ですが、それまで妄想恋愛小説だったのが、現実的な恋愛小説に変化するわけなのです。
このように
夢を抱く→事実の突きつけ→幻滅→混乱→現実の受け入れ
と小説全体を、ヨシカの心の変遷=成長としても読むことができます。
その他読者の感想まとめ
感想01.ヨシカに共感する女の子が多いかも、、、
『勝手にふるえてろ』綿矢りさ #7月読了
いやー、面白かった😄
これは確かに妄想力爆発のキュートな恋愛小説だ🙌
多分女の人の多くは、分かる!!!ってなるし共感出来すぎて笑ってしまうと思う🌟実際私もそうだったから😚
男性諸君、女性の本心ってこんなもんだから!笑((何様🤫#Soraの本棚 pic.twitter.com/IT3mKEdWV2— Sora (@Sora15006681) July 3, 2019
てか、男性だって、好きな人ができたらエッチなこととか、妄想してるんだし、人間って妄想する生き物なんだな〜って改めて思いました。
感想02.綿矢りささんの言葉選びに脱帽!
以前『勝手にふるえてろ』を読んだ際にも感じたことなのですが、綿矢さんの繊細かつインパクトのある言葉選びには脱帽です。綿矢さんの著書は読破しようと心に誓いました。…そして一冊の本を読み終えた!という達成感に酔いしれております。(活字初心者) #読了
— 23時迄には寝る (@3tsugo100made) January 25, 2020
彼女の持ち味といえば、なんと言っても、パンチ力のある言葉をさらっと作品に入れるうまさ。僕の大好きな作家さんです。
感想03.ヨシカはイタイ女!?
綿矢りさ『勝手にふるえてろ』(文春文庫)読了。26歳のヨシカは永遠の王子様・イチと現実的に好きになってくれる男・ニとの間で揺れ動く話。他一編。
結構笑えた。イタイ女の描写は胸にズキズキくるものが…。男性は注意した方が良いリアルな女の本音もチラホラ。ヨシカは幸せ<ありのままでいて~。 pic.twitter.com/JL4laq1fKE
— ゆう@読書垢 (@yu_hnmmr) January 31, 2020
でもその痛々しさが、時に僕たちの心を揺さぶるというか、落ち着きなくさせるわけです。
あとゆう@読書垢さんの『リアルな女の本音』と言う部分は男たちを落ち着きなくさせますねww
感想04.恋する人は誰でも自分をみて欲しい!?
📚勝手にふるえてろ / 綿矢りさ
読んでいて楽しくなる恋愛小説。
主人公の屈折の仕方や行動に戸惑いつつ、可愛らしさにほっこりし、気付くと応援していました。動物は自分を見て欲しい生き物ですよね。人生は勇気があれば、なんとかやっていけるのかな〜とか、少し思いました😌#読了 #すずり読了 pic.twitter.com/FlVA4xYCUs— すずり。 (@hd_353) November 8, 2019
なぜなら、恋の作用によって、“私”を中心に世界が回っているように誤解しちゃうからです。
「あっ!誰々ちゃんがこっち見てる」何度僕も勘違いしたことか、、、って感じですね。