【直木賞受賞】鍵のない夢を見る|あらすじ・感想

こんにちは。たかりょーです。(@RyoooooTaka)

鍵のない夢を見るを読もうと思ってるけど、事前にどんな内容なのかを抑えておきたい!

このような疑問に答えます

僕は9年間、100冊以上の読書を続けている読書好きです。

先日僕はこのようなツイートをしました。

この記事では、鍵のない夢を見るについて、深掘りしていこうと思います。

この記事のメリット

・『鍵のない夢を見る』を読む前に、あらすじを知れる!

・既読者のさまざまな感想が知れる!

・これから読む人は、スムーズに読書できる!

それでは早速解説していきます。

鍵のない夢を見るの基本情報

まずは『鍵のない夢を見る』の基本情報をおさえておきましょう。

作品名:鍵のない夢を見る
著者:辻村深月
ページ数:269ページ
出版社:文藝春秋
スタイル:文庫(ハードカバー、Kindle版、Audible版あり
ジャンル:純文学
定価:単行本→¥1430 文庫→¥770

『鍵のない夢を見る』は第147回直木賞受賞作品(2012年上半期)です。

ちなみに候補者・候補作品は以下の通り。

・朝井リョウ 『もういちど生まれる』

・貫井徳郎 『新月譚』

・原田マハ 『楽園のカンヴァス』

・宮内悠介 『盤上の夜』

有名な作家さんがたくさんいる中で、堂々の受賞をなされました。

鍵のない夢を見るはこんな人におすすめ

鍵のない夢を見るはこんな方におすすめです。

・何気ない日常生活にふと紛れるミステリーを堪能したい

・女性の複雑な感情や心理状態を描写されている小説を読みたい

・私にも起きるかも・・・というリアルな物語が読みたい

この作品の特徴を一言で表すと、日常ミステリーです。

もう読み始めたらハラハラドキドキ感が止まらず、すぐに読み終わるくらいのスピード感で読めちゃいますよ。

鍵のない夢を見るのあらすじ

鍵のない夢を見るは、5つの短編が一つの長編を形づくる、連作短編という体裁をとった小説です。

どの短編も傑作と呼ばれるほど、読み応えのある内容になっています。

それぞれのあらすじを以下にてまとめておきますね。

連作短編01『仁志野町の泥棒』のあらすじ

主人公のミチルは那賀交観光バスツアーに母と参加時、バスガイドをしているのが同級生の律子だと気づき、昔の記憶が蘇る。

律子は小学3年生の夏休み明けに、隣町から転校してきた。

面白く、明るい律子は、ミチルともう一人優実子と仲良くなり、3人で律子の家に遊びに行くようになる。

小学校5年生になったある日、友達の樹里から「りっちゃん(律子)の家のおばちゃん、泥棒なんだよ」と聞かされる。

驚くミチルだったが、律子の母親が現金や通帳を盗むのは、近所中で有名だった。

小学6年生の夏、ミチルはついに繁華街から自宅に帰ると律子の母と偶然鉢合わせ、現場を目撃する。ミチルと母親は警察に通報することなく、何事もなかったかのようにして、「律子とこれまで通り仲良くすると。

事件後も律子と仲良くするミチルだったが、律子と駅前に絵の具を買い物に行った時に、彼女が消しゴムをスカートに隠す万引き現場を見つけてしまう。

その後、絶好とは言わないまでも律子とは満足に口を聞くことなく、疎遠となる。

連作短編02『石蕗南地区の放火』のあらすじ

公有物件の災害や事故に対して共済金を支払う保険事業を担当する36歳独身の笙子は、実家近所の消防の詰め所で不審火があり、現場調査に向かうことになる。

そこには消防団の団長である大林が団員に指示する姿があったが、笙子に頑ななまでに背中を向けて、気づかないふりを貫いていた。

笙子は大林ととある飲み会で知り合っていた。「魅力などかけらも感じない貧相な男」だと思っていたが、その場の流れで、連絡先を交換してしまう。

飲み会後も積極的に連絡してくる大林を、仕事の都合上、全く無視することもできず、とうとうプライベートで横浜に出かけることになった。

現場で大林は最初無視していたが、突然、わざとらしく親しげに声をかけてくる。

詰め所の火事から一ヶ月後のことその後、大林は公民館の納屋を放火しているところを現行犯逮捕され、一ヶ月前の不審火も彼の仕業であるということが明らかになる、

ふと笙子は「火をつけたのは自然な形で再開するために大林が仕掛けたのではないかと」

連作短編03『美弥谷団地の逃亡者』のあらすじ

友達の敦子に、バイト先の先輩と初体験を済ませたという自慢話に触発され美衣は、ご近所サイトで男を探す。

その出会い系サイトで知り合ったのが陽次。

二人の出会いは、

「仕事が長続きしない自分をダメかも……、と反省する毎日です」

と美衣のプロフィール欄の悩みに対して

幸せはいつもじぶんの心が決める

と、陽次があいだみつおの詩を送ったことから。

”自分のことをダメかもと思っていた”美衣はその言葉に胸を打たれ、“幸せはいつも自分の心が決める”と自信をつける。

魅力的な言葉をもつ陽次に、美衣は少しずつ心を惹かれるようになり、彼と交際することに、、、

だが付き合うと陽次のだらしなさや束縛が徐々に目立つようになり、蹴ったり殴ったりなどの暴力がエスカレートしていく。

付き合い始めて2年。20歳を過ぎた美衣は未だ陽次と付き合っている。

「千葉・房総」エリアのるるぶをもち、リゾート地をあちこち回っている2人だが、実は2人の間には取り返しのつかないある事実が隠されているのだ。

連作短編04『芹葉大学の夢と殺人』のあらすじ

研究室の教授・坂下が他殺体が発見された。
主人公の未玖はかつての交際相手、雄大が犯人なのではと疑う。
雄大は「大学が卒業できなかったのは教授のせいだ」と言っていため、その仕返しに殺したのかもしれない・・・
案の定、遺体発見から数日後、雄大は容疑者として全国に指名手配されてしまう。
指名手配の報道の3日後、逃亡中の雄大から公衆電話から未玖に連絡がある。「ごめん。最後に一度、どうしても会いたくて」
過去の回想とともに、バカげた夢を本気で語る雄大の途方もない人間性や容赦無く人を傷つける性格が暴かれる。
そして、雄大のもとに駆けつけた未玖に、彼は思いもよらぬことを言う。

連作短編05『君本家の誘拐』のあらすじ

地方都市のショッピングモールで、買い物をしていた時、ふと目を離したすきに、生後10ヶ月の咲良を乗せたベビーカーが見当たらなくなってしまう。
店員や警備員を巻き込んで必死になって探す良枝。
やっと授かった子なのだ。出産できず苦しんだ3年。「誘拐かもしれませんね」我が身に起こっていることが信じられない。どうしようと慌ててパニックになる。、、
良枝はずっと子供が欲しかった。だが出産してからは、子供を育てることに必死になりすぎていた。毎晩繰り返される夜泣き、自由のない生活、非協力的な夫、遊びに来る友人もほとんどいなかった。
自分を見失い、精神状態がおかしくなっていた。

子供を産んだことを疎ましいとも感じはじめてしまていた矢先の事件。

良枝は、子供を取り返すことができるのか?

鍵のない夢を見るの個人的感想【読みどころ3点】

それでは鍵のない夢を見るの感想を紹介していきますね。

・犯罪に巻き込まれる女性がどう“リアクションするか

・身近だからこそ感じる“リアル感”

・後味の悪い読了感

3つそれぞれ説明してきますね。

犯罪に巻き込まれる女性がどう“リアクションするか

一般的に小説は、ある事件をきっかけに、主人公がどうリアクションし、その結果、どう変化していくかが描かれていきます。

本作の5つの連作短編においても、ある犯罪・事件に巻き込まれた女性の姿が詳細に描かれています。

どんな犯罪・事件が起きるのかは、以下の通り。
・泥棒
・放火
・ストーカー
・暴力
・逃亡
・殺人
・育児ノイローゼ
などです。
そして、その犯罪がきっかけとなって、各々の女性主人公たちがどうリアクション(悲しんだり、混乱したり、決断したり等)をとるが、『鍵のない夢を見る』の面白さとなっています。

身近だからこそ感じる“リアル感”

小説内で起きる犯罪や事件は、決して読者とかけ離れた世界の出来事ではなく、あくまで

1歩間違えると自分も同じ出来事に巻き込まれる可能性もあるほど日常の近くに潜んでいるもの
ばかりです。
例えば、『仁志野町の泥棒』なら、自分の仲の良い友達の母親が万引きをし、その友達も親のDNAを受け継いだかのように万引きをしてしまう。
これって、別に車が空を飛ぶみたいな非日常ではなく、「もしかしたら我が身に降りかかるかも」という感覚がありますよね。
だからこそ、読者はそこにひしひしとしたリアルを感じてしまい、『鍵のない夢を見る』そのものに嫌悪感、驚き、羞恥感、罪悪感といった生々しい感覚を覚えるのです。

後味の悪い読了感

人間は決して強い生き物ではないので、ちょっとした事がきっかけで、
1.精神状態がおかしくなったり
2.自意識が異常に過剰となったり
3.自分の意志に反した行動をとったり
などしてしまいます。
本作の『芹葉大学の夢と殺人』においても、犯罪を犯した男を目の前に、
私をお気に入り扱いした坂下先生を彼が殺めた理由だって、私にはなんの関わりもない。
それが全部、私のせいだったらよかったのに。
雄大から、私のせいだと罵られ、責められたかった。人のせいにしないのは、潔いからではない。それは、彼が私に興味を持たず、執着していない証拠なのだ。
私が雄大にとって執着するに足る唯一無二の相手かどうかはわからない。そもそも私にとってだって、この人が唯一無二の相手かどうか、わからない。けれど、それでもこの気持ちと願いを、愛と読んではいけないのだろうか P189、P190
といった、心の葛藤・複雑な愛の心境を描いています。
この小説を読むともれなく、
他人に知られたくない部分
自分でも気づきたくない部分
など、心の奥底に隠された嫌なところを、不意にグッとつかまれて、暴かれているような感覚に襲われます。
だからこそ、どの短編も最後まで読むと、ざわざわした違和感の残る、複雑な心境になってしまいます。
なぜなら、人間の心の危うさ・脆さ・歪みに気づくからです。

まとめ

今回は、鍵のない夢を見るのあらすじと感想をご紹介しました。

辻村さんが直木賞受賞した作品とあってかなり面白い仕上がりになっています。

ぜひ興味のある方は、読んで日常ミステリーを堪能してください。

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