【キャラクター設定】←売れる小説を書くためには必須な件

こんにちは。たかりょーです。(@RyoooooTaka)

「キャラクターって設定する必要ってあるの?小説を書いている間に徐々に決めた方がいいんじゃないの?」

こう言った疑問を解決する記事を用意しています。

目次

【結論】キャラクター設定は小説を書くために必須

有名作家さんのなかには「キャラクターを最初に設定するなんて不要、ストーリーが教えてくれる」という意見をお持ちの方もいます。

ただ結論、書き始める前に小説のキャラクターは必ず設定した方がいいです。

【理由】なぜキャラクター設定って必要なの?

ではなぜ小説にキャラクター設定が必要なのか、具体的にお話していきますね。

・誰の物語なのかがわかる

・キャラクターの“反応”を考えられるから

2つの理由を以下でご説明します。

誰の物語なのかがわかる

キャラクター、特に主人公を含めた主要なキャラクターは物語に焦点を与えます。

皆さんは物語を読んでいる時に、こんな体験をしたことはありませんか?

・いったい誰の物語なんだろう?

・いろんなキャラクターが出てきて、誰を中心に物語を読めばいいか分からない

・全然キャラクターに共感できない

これはキャラクターをしっかりと設定されておらず、キャラクターが物語にどんな影響を与えるかを決めていないからなんです。

反対にキャラクターをあらかじめ設定しておくと、誰の物語なのかが明確になるので、小説自体も楽しく読み進めることができます。

キャラクター(登場人物)の“反応”を考えられるから

読者は無目的に小説は読みません。

キャラクターがなにかしらの出来事に巻き込まれ、それに対して、どう考え、どう反応し、どう乗り越えていくのかを楽しみに読んでいます。

出来事とは、例えば

・同棲していた彼女が家を出る

・自分の娘が殺人犯に殺される

・都会暮らしの憧れの友人がある日故郷に戻ってくる

・壮大な地下迷宮に迷い込んだ主人公

・ばらばらの死体を発見する

・自殺と思われていた弟の部屋に手紙が残されている

など、物語に変化や対立、葛藤を起こすものです。

つまり、物語はキャラクターがいて、はじめて進行していくわけです。

なのでキャラクターをあらかじめ設定し、彼らが出来事に対してどんな行動をとるを考えなければなりません。

【まず考えよう!】キャラクターは物語に登場する必然性はある?

キャラクター設定を行う前に、かならず「キャラクター」と「物語」の間に、必然的な関係性があるのかを確かめるようにしてください。

必然的な関係性とは、皆さんが書こうとしている物語に、そのキャラクターは本当にいるのか?とです。

スコット・フィッツジェラルドの代表作グレート・ギャツビーという物語があります。

主人公のニック・キャラウェイは、中西部出身でイェール大学を卒業後ほどなくして戦争に従軍し、休戦ののち故郷へと帰ってきたものの、そこで孤独感を覚えた。時代は狂騒の20年代のアメリカ。彼は証券会社で働くことを口実に、1922年ニューヨーク郊外のロング・アイランドにあるウエスト・エッグ英語版へと引っ越してくる。

隣の大邸宅に住んでいる人物は毎夜豪華なパーティーを開いている。青みを帯びた庭園には男たちや女たちが蛾のように集まって、ささやきやシャンパンや星明かりの下を行き交った。その屋敷の主がジェイ・ギャツビーという人物であると知り、興味を持つ。

ある日ニックはギャツビーのパーティーに招かれる。しかし、そのパーティーの参加者のほとんどがギャツビーについて正確なことを知らず、彼の過去に関して悪意を含んだ噂ばかりを耳にする。やがてニックはギャツビーが5年もの間胸に秘めていたある想いを知ることになる。出典:wiki

グレート・ギャツビーの主要なキャラクターは

・ジェイ・ギャツビー(主人公)

・ニック・キャラウェイ(語り手)

・デイジー・ブキャナン(トムの妻)

・トム・ブキャナン(デイジーの夫)

・ジョーダン・ベイカー(デイジーの親友)

この5人です。

大切なのは、5人は物語の進展に欠かせない人物だということです。

以下に簡単ですが、キャラクターたちの関係性を説明しますね。

・ニックはデイジーのいとこ(ギャツビーがニックに近づく理由)

・昔、ギャッツビーとテイジーは恋仲

・ジョーダンとギャツビーは知り合い

・ニックとジョーダンは良い関係

・トムとニックは友人関係

・トムとギャツビーは共に富豪(トムは知人を通じてギャツビーが富豪になった理由を探れる)

・ジョーダンはトムの浮気を知っている(ニックに知らせる)

・ジョーダンはデイジーとギャッツビーとの関係も知っている

それぞれの人物は何かしら繋がっており、物語は互いの関係が交錯する中で次々に進展していきます。

つまりグレート・ギャツビーに出てくるキャラクターは、物語の進展に欠かせない存在であり、物語に登場する必然性があるわけです。

反対に、誰かが抜けたりしたら、全く別の物語になっていたでしょう。

小説を書くときには、このように「キャラクター」と「物語」の必然性をつねに考え、不要な人物は取り去るようにしましょう。

キャラクターは“履歴書”を書くつもりで詳細に考えよう

キャラクターは物語を面白くもつまらなくもする“核”です

なぜなら読者はただ事件や出来事が起きるだけではつまらなく、キャラクターたちが問題に直面し、努力しつつ乗り越え、解決する様を楽しみにして読書をしているからです。

だから、主要なキャラクター、ストーリラインを決めたら、キャラクターの履歴書を書くつもりで、詳細に設定するようにしましょう。(プロットを考える前にです)

【キャラクター設定】重要項目を列挙

それではキャラクターを設定する重要項目をそれぞれ説明していこうと思います。

以下には代表的なものをご紹介しますね。

外見(顔立ちや体型、服装など)

なぜなら外見は、みなさんが描く主要なキャラクターを、読者の印象へ残す残さないかを左右するからです。

実際に細かく描写しなくとも、、、

・背は低い

・丸顔

・体は痩せている

・黒髪でショートヘアー

・二重

くらいに主要なキャラクターの外見の特徴は把握しておいた方がいいです。

いざ執筆する時には、以下のように描写します。

エリカは背は低く、体はほっそりとしている。黒髮は肩まで届くくらいで、目は二重で綺麗な黒い瞳をしている。夜の蛍光灯で瞳が灰色に濁ったとき、私は彼女を恐ろしく感じた。

なお外見を細かく描写すぎると読者に飽きられてしまいます。できる限り端的な描写ですますようにしましょう。

行動原理

行動原理はキャラクターを動かす、内的動機になります。

読者は小説を読むとき、

・なぜキャラクターはそのような行動をとったのか?

・その他の行動は取りようがなかったか?

と疑問を持ちながら読み進めていきます。

もし行動原理が一貫したもでなければ、小説を書いていく間に、行動に矛盾が出てきます。(初心者の方であればとくに起こりがちになります)

そのため、最初にキャラクターはどんな行動原理を持っているのかは決めといた方が良いです。

【3つの質問】キャラクター(主人公)の設定する時

この章では、キャラクター、とくに主人公にスポットを当てて、物語を面白くするために必要な要素をご紹介しましょう。

キャラクター(主人公)が取り組む目的を明確にしてますか?

キャラクター(主人公)に葛藤を与えていますか?

葛藤を乗り越えた先にキャラクター(主人公)はどう変化しますか?

3つを具体的に説明していきますね。

キャラクター(主人公)が取り組む目的を明確にしてますか?

読みやすい・面白い小説は、主人公の目的がはっきりしているものです。

目的とは、例えば

・恋人を手に入れたい

・真犯人を見つけたい

・落ちこぼれた兄を立ち直らせたい

など欲求や願望ですね。

主人公はこれらの目的を達成するために、作者が創作した物語・舞台を動き回ります。

なお、目的が分かりにくい方は、

・主人公が抱えている問題

・主人公が取り組もうとしている問題

とも言い換えれます。

目的は、物語に焦点をあたえて、物語で起こる全ての出来事は問題解決をするために修練します。

グレートギャツビーの場合だったら、ジェイ・ギャツビーの目的は

デイジー・ブキャナンを手にしたい

という目的がはっきりしており、そのほかのキャラクターや出来事は、この目的のために設定されていると考えてもいいです。

反対に目的がはっきりしない小説は、現代はなかなか一般的な読者に受け入れられません。

20世紀の前衛的な作家、 サミュエル・ベケットやジェイムズ・ジョイスの小説が一部の熱狂的なファンをのぞいて、今の読者に受け入れられないのは、サスペンスやライトノーベルに比べて、小説の目的=ゴールがはっきり示されていないからなんです。

キャラクター(主人公)に葛藤を与えていますか?

目的を達成するために、主人公は必ずなにか葛藤や対立を乗り越えなければなりません。

一つの試練も与えず、ただ情景描写や心理描写だけをつらつら並べていても、物語が単調になってしまい、現代の読者はそんなつまらない作品を読みません。

さて主人公は常にふたつの葛藤・試練に晒されています。

1主人公に対抗する外的試練(恋人が浮気する、強烈なライバル視を抱く同僚に意地悪されるなど)

2主人公の内面の葛藤(嫉妬、憎しみ、羨望、恨みなど)

なお、2(内面の葛藤)は、1(外的試練)と因果的な結びついています。

が主人公がおきて、心理的に引き起こります。

ジェイ・ギャツビーなら

1主人公に対抗する外的要因→戦争、デイジーの夫トム、交通事故など

2主人公の内的な心の葛藤→羨望、怒り、絶望など

があり、これら様々な葛藤・対立が、物語に満ち満ちており、全体に深みや面白みをもたらしています。

葛藤を乗り越えた先にキャラクター(主人公)はどう変化しますか?

小説は、主人公が葛藤や苦しみを乗り越え(=自分の抱える問題を解決し)、心理的に成長・変化することで終わりを迎えます。

分かりやすい例が、恋愛小説や探偵小説です。

恋愛小説→色々と悲しみや嫉妬に苦しんだ末、恋人を手にする

探偵小説→様々な事件に巻き込まれながらも、真犯人を見つける

これらは外的に変化しますが、もっと言えば、内面的な変化も含むべきでしょう。

恋愛小説→本心を偽っていた男が、真に愛する女を手にして、本当の愛を知る

探偵小説→無関心だった探偵が、人を助けることに喜びを見出す

このように、葛藤や対立を乗り越えた先には、外的にも内的にも大きく変化します。

キャラクター設定時に役立つ4カテゴリー

最後に、キャラクターを深い次元・多面的に描くための4カテゴリーをご紹介しましょう。

・表面的・世間的な特徴(偽りの姿)

・内面の悪魔

・バックストーリー

・新しい自我の獲得

この4カテゴリーを意識すると、一貫したキャラクター設定ができます。

それぞれ詳しく説明していきますね。

表面的・世間的な特徴(偽りの姿)

まずキャラクターの表面的な部分を設定していきましょう。

キャラクターの表面とは、人物の外側=仮面を被った状態だと考えてください。

ユングのペルソナに近い部分がありますが、人間は誰しも周りの人からどう見られたいかという自分像(あるいは自分をどう見ているか)を持っているものです。

例えば、

・人に嫌われてくないから自分を隠して静かにする

・モテたいから人よりも紳士的に振る舞う

・出かける時の服装はできる限りトレンドを取り入れよう

・一般的な人間とは違っていたいから金髪ロン毛にする

など、見た目や癖、習慣にこだわりを持っており、周囲に適応しようあまり

この点を

ただし、表面的な部分は人物の真実では

例えば刺青をしている人が怖いかは関係ない

内面の悪魔

内面の悪魔とは、偽りの自分を取り払った先にある心のネガティブな側面のことです。

例えば、

臆病

性的逸脱

わがまま

依存

偏見

貧困

などがあります。

実は内面の悪魔を掘り下げれば掘り下げるほど、キャラクターが立体的・多面的になってきます。

なぜなら、表面的・世間的な特徴見せかけ)を作り出した理由でもあるからです。

例えば、

誰にでもきつく当たる大学生(表現的)

過去に多くのいじめと裏切られる過去があって人を信頼してはいけない(内面の悪魔)

後者は前者を作り出した動機であり、現在の行動の原因となります。

そして両者の素材が提供されることで、キャラクターに深みが生まれてきます。

見た目を取り繕う理由

過去の嫌な体験

思い出したくない記憶

なんども夢に出てくる挫折の光景

変な習慣

心の闇

これらは全て内面の悪魔です。

読者はこの内面の悪魔を見て「あっ、こいつはただの良い奴/悪い奴じゃないんだ」と共感を抱きやすくなります。

バックストーリー

内面の悪魔に欠かせないのがバックストーリーです。

バックストーリーとは、ストーリーが始まる前に登場人物に起きた特的の過去の出来事のことです。

例えば、グレートギャツビーの場合、

ギャツビーが成功の夢見て、第一次世界大戦でアメリカ陸軍の将校となり、その時、デイジーと恋仲になる

この部分が、ストーリーが始まる前の過去であり、バックストーリーになります。

バックストーリーは今の人物が「なぜそうなったか」を形成する過去です。

つまり、登場人物が現在の外面/内面をもつ動機となった出来事なので、小説を書き始める前にキャラクター設定のなかで、特的の過去の出来事を作り、今の人物が形成された動機や内面の問題を決めておくべきです

新しい自我の獲得

登場人物はストーリーの中で、内面の悪魔と戦い、それを克服していきます。

これまで殺人ばかり起こしていた殺人鬼が、たった一人のいじめられっ子を救うことによって、人助けに喜びを感じる。

これは登場人物の全く新しい面=新しい自我の獲得であり、過去の人物像を払拭した先にある大きな変化です。

つまり、ある体験から、登場人物は学び、成長し、小説はその変化も丁寧に描いたほうが格段に面白い内容になります。

良い人物であろうと・悪い人物であろうと、ペンチに陥った時や選択を迫られた時、なんらかの決断→行動をします

この行動の時こそ、

表の自分が出るのか

裏の自分が出るのか

全く新しい人物が出るのか

が問われます。

まとめ|キャラクター設定は小説の成功を左右する

今回は、キャラクター設定のお話についてまとめました。

まとめとして、キャラクター設定を小説が売れるか売れないかを決定づける重要なキー概念。

例えば、

・小説を面白くする

・読者が共感して最後まで読みたくなる

・最後まで執筆したいと思えるほど喜びが感じられる

など、小説執筆を進めていく上で欠かせない要素です。

プロット・テーマも大切ですが、キャラクター設定もしっかりと行い、皆さんも最後まで小説を書き切るようになってくださいね。

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この記事を書いた人

読書好きブロガー。とくに夏目漱石が大好き!休日に関連本を読んだりしてふかよみを続けてます。
当ブログでは“ワタクシ的生を充実させる”という目的達成のために、書くを生活の中心に据え(=書くのライフスタイル化)、アウトプットを通じた学びと知識の定着化を目指しています。テーマは読書や映画、小説の書き方、サウナ、アロマです。

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