先日僕はこのようなツイートをしました。
https://twitter.com/RyoooooTaka/status/1311660231986831360本記事は、小説『君の膵臓をたべたい』を読んだ僕が、まだ本作を読んでない人、これから本作を読むという人に向けて、あらすじや読みどころなどをお届けします。
・『君の膵臓をたべたい』のあらすじと登場人物
・『君の膵臓をたべたい』はどんな人におすすめの小説か?
・『君の膵臓をたべたい』の作者紹介
・『君の膵臓をたべたい』の感想・レビュー
正直、この小説は考えさせられることが多かったですね。
例えば、生きるって?友達って?孤独って?誰かといることって?
そして最後にはしっかりと感動もできる内容になっています。
小説『君の膵臓を食べたい』はこんな人におすすめ
- 高校生の男女を主人公とした感動の青春恋愛小説を読みたい人
- 読みやすい恋愛小説を探している人
- 人生の一瞬一瞬を大切に生きなくちゃ!と改めて考えさせられる小説を読みたい人
- 数多くの名言が登場する小説を読みたい人
- 温かく優しい物語に触れたい人
小説『君の膵臓を食べたい』のあらすじ完結まとめ
始まり→本と山内桜良との出会い
高校2年の4月。
主人公の「僕」は盲腸の手術後の抜糸で病院を訪れる。
そこで偶然ロビーのソファに置かれた、一冊の文庫本を拾う。
表紙にはマジックでタイトルが手書きされている。
名前は「共病文庫」
それは、クラスメイトである山内桜良が密かに綴っていた日記帳だった。
ページをめくると「あと数年で死んじゃう」、「それを受け止めて、病気と一緒に生きる為に書く」と書かれている。
彼女が膵臓の病気を患って数年のうちに死んでしまうこと、そして家族以外には秘密にしていることが書かれていた。
見てはいけないものを見てしまったと、本を閉じるが、声を掛けられ、振り向くと持ち主の少女が立っている。
彼女は共病文庫に書かれていることが真実であること、クラスメイトには内緒にしてほしいといい、何でもない様子で病院を後にする。
彼女の家族以外で唯一その秘密を知ってしまった僕。
そして秘密を共有する関係として彼女が死ぬ前にやりたいことに付き合うことになる。
小説『君の膵臓をたべたい』の登場人物
小説『君の膵臓を食べたい』に出てくる登場人物はそこまで多くありません。
以下の3人がメインの登場人物になります。
僕(志賀春樹)
人との関わりが嫌いな本作の主人公。
人間関係を煩わしく感じており、クラスメイトだけでなく恋人もろくに作ろうとせず、家族とも深いを関係性を作ろうとしない。
もっと言えば、あらゆる”関係”に興味が無い。
唯一興味があるのは小説を読むこと。図書委員
『草舟のごとく強い力には逆らわず流されることにしている』と本作内にあるように、強い流れや権力に抗わずに
主人公であるが、終始名前は語られず、物語の後半で
それまでは【仲のいいクラスメイト】、【秘密を知っているクラスメイト】、【地味なクラスメイト】など【】と特殊な表記されている。
山内桜良
膵臓の病気を患っており、余命が1年と宣告されている。
病気になったことを決して恨むことなく、「闘病日記」ではなく、「それを受け止めて、病気と一緒に生きる為に書く」と「共病文庫」を書いている。
性格は病を感じさせないほど明るくて天真爛漫。
その明るさでクラスで人気者に。
主人公とは真逆のタイプです。(小説内ではその点について何度も指摘されています)
主人公は、自由奔放に振り回される。
しかし、彼女の明るさにはとても暗い面があり、それが結末部分で明かされることに。
キョウコ
山内桜良の親友。
主人公は「親友さん」と呼んでいる。
山内桜良が主人公と仲良くしていることに良い感情を抱いていない。
ときに睨んでいかくすることもある・・・
ただ桜良としては、自分の死後、ふたりが友達になってくれるように願っている。
小説『君の膵臓をたべたい』の感想・読書レビュー紹介
ツイッターの感想・読書レビュー
「君の膵臓をたべたい」
これを読んで僕は一瞬を大切にしようって心に誓いました。
やばい笑涙が止まらない笑
初めて小説の作品好きになった笑 pic.twitter.com/acziYCTuIZ— かとめい (@shishimei02) September 29, 2020
https://twitter.com/SaKyudo00/status/1142137115741786112 https://twitter.com/book_cafe_maco/status/1169318956684853248『君の膵臓をたべたい』読んでいます。普段こういう感じの小説は読まないから新鮮。たまにこういうの読むとおもしろい!そして学生メインのお話は自分が高校生に戻っているような気分になれるので楽しいです。
— ふーちゃん (@fuuuuwriter) May 15, 2020
感想文用!小説『君の膵臓を食べたい』の読みどころ
全体のテーマ=生きるとは周囲と交流し、自身を形成する
『人はただ自分自身のみである(=成り立つ)わけではない。生きるとは、多くの人と関わりながら、自分自身を形成していく過程だ』
僕はこのように、小説を読み、考えさせられました。
私の心があるのは、皆がいるから、私の体があるのは、皆が触ってくれるから。そうして形成された私は、今、生きてる。だから人が生きていることには意味があるんだよ。
この言葉は、孤独を感じている人や、温もりが不足してる現代の人(とくに若い人)に、ぜひ届けたい言葉です。
主人公のように他者を拒絶し続けていては、私はずっと寂しく感じ、成長することはありません。
私は他者との交流があってはじめて「私」となり、「私自身」を認識できます。
純文学ではない!若者目線の文体と表現でとにかく読みやすい
君の膵臓を食べたいは、とにかく読みやすいです。
小説ときくと「文芸作品」をイメージしてしまう方も多いかもしれませんが、本作は登場人物たちの会話など僕たちの日常語をふんだんにつかっていて、読みやすいです。(→がっつりライトノベルだということが分かります。)
文体としても読みやすいですし、会話文も多く、すらすらと読めてしまいます。
これまで全然小説を読んでこなかった!という人にもぴったりな作品ですよ。
病気=暗い・悲しい話ではない!前向きに読める共病日記
小説の冒頭から、ヒロインは不治の病にかかって、1年後に死ぬことがわかっています。
僕は正直、最初の書き出しを読みながら、「どうせお涙ちょうだいの暗いトーンなのかな?」と思ってました。
ところが全然違ったんですね。
この小説の主眼は、桜良の病気=死を明かした時点からはじまる、僕と桜良2人の交流を描くことです。
つまり「死」が前提となっている作品なわけで、読者からすると、すでにネタバレされている状態になります。
ただもっと深く考える下記のことも考えられます。
つまり、僕たちは生きるに終わりがないようにみえるので、例えば家族や友人との会話も「貴重」ではないと感じがちです。
逆に僕と桜良との交流は、すでに終わりが決まっているので、一瞬一瞬のふたりのやりとりが、めっちゃくちゃ「貴重」になるんですね。
これってある意味で発見です。
なぜなら、本来であればすべての一瞬一瞬は貴重なのに(死ぬのは必然なので)、僕たちは日々のことに追われて、目の前の人々との交流をテキトーにしがちですが、僕と山内桜良は一瞬一瞬をとても大切に生きようとしており、だからこそ、彼らの姿から「瞬間」を大切にする気持ちを学べるからです。
この小説のポイントは、「死ぬまでの時間をどう過ごすか?」という部分ですから、そこから何かを発見できそうですよね。
私たちの「生」に引き戻す
ただ住野よるさんは小説をただの「物語」では終わらせません。
どういうことか。
桜良は病気ではしなずに事故死します。
これは難しい言い方をすれば、「小説形式の否定」と考えるべきでしょう。
先ほど僕は、本作は死=終わりを前提とした作品であり、僕たちの生とは異なると伝えました。
しかし桜良は突然、「生を閉じられる→僕たちの生」と同じものに引き戻します。
桜良という登場人物は、小説を読んでいる間はフィクションの女性、作られた女性として描かれていますが、彼女は僕たちが想像していた死に方とは違う死に方をするわけです。
ここで考えるべきは、僕と桜良は終始「死」を小馬鹿にしている点です。
「どうせ私死ぬんだけど」とか「将来はこうしたいけど私死ぬ」みたいに。
つまり、彼らは物語の人物ではなく、日常でそこらへんを歩いている僕たちと同じだという部分に最後にきづかされるのです。
また共謀小説とも考えられます。
小説『君の膵臓を食べたい』は実写映画、アニメ映画化されています!
『君の膵臓を食べたい』は2017年7月に実写映画化されました。
2017年8月時点では何と累計200万部を超える大ベストセラーになっています。
さらに2018年9月にアニメ映画化することも決定しています。
小説『君の膵臓を食べたい』の名言
友達想いの素敵な言葉(あなたはこんな風にいえる親友いますか?)
「あの子は、あんなんだけれど、人一倍傷つきやすいの。中途半端な気持ちであの子に近づくのはやめて。もしそんなんで桜良を傷つけたら、私が、殺すから」P212
小説『君の膵臓を食べたい』の作品概要を知りたい方
作品名 | 君の膵臓を食べたい |
著者 | 住野よる |
ページ数 | 双葉社 |
ジャンル | 青春小説 |
発売日 | 2015年6月19日 |
受賞・評価 | 2016年「本屋大賞」第2位に選出 |
映画化 | 2017年に浜辺美波、北村匠海主演で実写映画化 |
ちなみに本作は75万部突破したベストセラーですよ!
小説『君の膵臓を食べたい』の作家は?
小説『君の膵臓をたべたい』は、住野よるさんのデビュー作で、2016年本屋大賞2位を受賞しました。
発行部数に関しても80万部を突破しており、大ベストセラーの作品です。
ぜひ実際に本を読んで、その世界観に浸ってみてくださいね。
住野よるさんって?
住野よるは最近
執筆をはじめたのはなんと高校時代のときから。
『君の膵臓を食べたい』は『小説家になろう』に投稿した作品が『ドラゴン・イェーガー』などで知られるライトノベル作家の井藤きくさんの目に止まったことがきっかけで出版が決まりました。