小説『夜は短し歩けよ乙女』のあらすじ・感想・登場人物まとめ【森見登美彦の代表作!】

たかりょー
こんにちは、年間100冊以上の小説を読むたかりょーです。

本記事では、以下の読者さんに向けた記事をご用意しています。

『夜は短し歩けよ乙女』の簡単なあらすじを知りたい。

『夜は短しƒ歩けよ乙女』をすでに読んだ人たちの感想を知りたいな〜

森見登美彦さんの作品のなかで特に有名で人気の高い作品です。

キャラクターの深堀り感もしっかりしていて、展開が早くて、一気に読み終えることができました。

目次

【最初にチェック!】『夜は短し歩けよ乙女』の主要な登場人物!

まずはじめに『夜は短し歩けよ乙女』の主要キャラクターを紹介していきますね。

本作では数多くの登場人物が登場します。

小説内では、それらのキャラクターたちが、章をまたがって交錯し合い、関わりをもちながら、物語がどんどん膨らみ進展していきます。

なので事前にどんなキャラクターが物語に登場するのかを、しっかりと頭で把握・整理しておくと、より物語を楽しむことができますよ。

キャラクター01.先輩

本作のメインの語り手

サークルで同じになった黒髪の女性に恋をしている。

京都大学らしき大学に通っているが、友達も少なく、言動も顔も冴えない。

成績が、大学院に進学して就職活動を

キャラクター02.黒髪の乙女

本作のヒロインであり、第二の語り手

先輩が恋をしている女子大生で、同じクラブの後輩でもある。

天真爛漫でマイペースな性格のため、どこにでも顔を突っ込む。

それが災いしてか、本作においても色々な事件に巻き込まれてしまう(彼女自身は事件とは思わず、出会いなどプラスに解釈しているが)

最後にこれが重要で、、、かなりの酒豪。(ギャップ・・・)

キャラクター03.樋口

いつも浴衣を着こんでいる。

樋口さんを一言で表現してるなら、めっちゃ変人。

みずからを『天狗だ』と自称する。

とはいえ、相当すごい術をつかいこなし、空を飛んだり、タバコの煙で鯉のぼりの形の煙を口から吐き出したり、耳から悪趣味な金色の招き猫を出したりする。。。(すごい)

乙女とは、羽貫と一緒にいるところ、酒場にて出会い、夜の先斗町素人の彼女を、先導するように渡り方を教える。

キャラクター04.羽貫

樋口と友人の大酒飲みの女。

樋口がでてくるところには基本登場する。

他人の宴会に顔をだし、身銭をきることなく、たらふく酒を飲む。

酔うと他人の顔を舐めようとするやばいくせがある。

キャラクター05.東堂

「東堂錦鯉センター」の経営であり、春画を蒐集するスケベジジイ。

最初に乙女とは、酒場であう。

最愛の鯉が竜巻にさらわれて、金利貸しの李白から借金をすることに。

それをきっかけに愛娘とはほぼ絶縁状態になる。

キャラクター06.李白

金貸で作品内はちょい悪役的な立ち位置。

また作品に頻出する「電気ブラン」という酒の卸業を生業にしているで大金持ち

三階建ての巨大な自家用車を所有する。

キャラクター07.古本市の神様

下鴨納涼古本祭りにあらわれた古本市の神を名乗る美少年。

最初は先輩にソフトクリームをぶつけた小生意気な子供かと思うが、実は神様だということに徐々に気づく。

相当な本の知識をもち、言葉づかいがわるい。

先輩が乙女を好きなことをしっており、ちょっとからかうところが可愛い。

キャラクター08.学園祭事務局長

その名の通り、「学園祭事務局」。

学園際事務局は、いわゆる秘密諜報機関としての監査機関であり、所属する大学のあらゆる行動を監視する。(こわい・・・)

主に学園祭の章(ご都合主義者かく語りき)に登場し、物語をひっかきまわす

とくに先輩が黒髪の乙女のことを秘めた恋心を持っていることにも気づいている。

友人らしく、ときにはからかい、ときには励ましている。

男とは思えないほどの美貌の持ち主でもある。

キャラクター09.パンツ総番長

ゲリラ演劇「偏屈王」の首謀者。

なお「パンツ総番長」と呼ばれている理由は、パンツを長い間履き替えず、歴代の『パンツ履き替えない記録』を更新したから。

またパンツを履き替えなかったのは、学園祭で出会ったある女性とのロマンチックな理由があるから。(本性でのお楽しみ)

先輩と学園祭事務局長と友人関係。

『夜は短し歩けよ乙女』はこんな人におすすめ

たかりょー
なお、『夜は短し歩けよ乙女』は以下の人が読むとすごく楽しんで読めると思いますよ!

 

・森見登美彦作品のなかでも特に有名で良作の作品を読みたい

・ファンタジー要素のある恋愛小説を読みたい

・恋愛に奥手で積極的になれない

・とにかく笑える小説を読みたい

・癖の強い独特な文体の小説を読みたい

『夜は短し歩けよ乙女』は純粋なファンタジーとしても読めますし、少々変わった?恋愛小説としても大いに楽しめます。

僕は個人的に、『恋に奥手な男性』に読んでほしいですね。

 

正直、ヒロイン『黒髪の乙女』のような女性を好きになれたらな〜って思います。なぜなら、性格が超絶優しい感じがして、恋にウジウジしがちな奥手男子には、女神!!みたいな存在だからですね。

この感じは、小説を読んでもらうとわかると思います。

小説『夜は短し歩けよ乙女』ってどんなあらすじ?

物語は全部で4つで構成されています。

・先斗町での宴会

・下鴨納涼古本祭りと不気味な闇鍋。

・大学祭の騒動とロマンチックな出会いと珍妙ならんちきさわぎ

・京都を席捲する風邪。

以下、簡単なあらすじ↓↓

舞台となるのは、西の都京都。

主人公は恋愛に奥手で、言動もなんか堅苦しい奥手男子『先輩』

物語はその先輩がある女性に恋をすることからはじまります。

その相手は、同じサークルに所属する黒髪の乙女だった。

彼女は天真爛漫で、マイペースで、まるで天使のような無邪気さもつ魅力たっぷりの女性だ。

 

先輩はなんとか彼女への思いをとげようと、彼女のいる場所にはどこにでもあらわれ(ストーカーまがいと思われるかも)苦心惨憺します。

だが黒髪の女は、そんな先輩の奔走につゆ知らずに、次々にあらわれる魅力たっぷりの登場人物たちと出会い、マイペースな日々を過ごします。

しかし、物語は予想外の展開になっていき、最後にはなんとある出来事が起こります。

『夜は短し歩けよ乙女』の個人的な感想。【読みどころまとめ】

森見ワールドにあなたもどっぷりつかる・・・

『夜は短し歩けよ乙女』は森見ワールドが炸裂しまくってます。

言葉の選び方、テンポのよい物語展開、随所でクスッと笑える会話、“おともだちパンチ”のような頭に残るワード選び、、、

『夜は短し歩けよ乙女』にはこのような森見ワールドを構成している要素がてんこ盛りです。

森見ワールドにどっぷりつかると、ぐいぐい引き込まれて、ページをどんどんめくってしまいます。一気に読み終えれます。

とくに『ご都合主義者かく語りき』における大学祭の章は、物語のテンポがめちゃくちゃはやくて、まるで映画をみているようなスピード感で物語が進んでいきます。

たかりょー
なお『夜は短し歩けよ乙女』は純文学のような難解さはなく、物語の展開や構成に関してはライトノーベルのようにかなりエンタメ性が高いですよ。

魅了的な登場人物たちが多数!彼らが章をまたがって関わって大きな物語になる

『夜は短し歩けよ乙女』には、たくさん登場人物が出てきます。

彼らは一風変わってるけど、読者の心をとらえて話さない魅力的な人物です。

春画愛好家の変態、金貸しのつむじ曲がり、自称天狗の大学生、膨大な本の知識をもついじわるな美少年…

『夜は短し歩けよ乙女』が面白く読める理由は、この登場人物たちがなにかしらの形で繋がっており、それぞれが関与し合いながら、ひとつの大きな物語をつくりあげているからなんですね。

たかりょー
僕が好きな登場人物はパンツ総番長。なぜなら、変な名前とは裏腹に、驚くほどロマンチストだからです。彼がパンツ総番長になったのは、ある切ないエピソードが関係しているのです・・・

主人公と黒髪の乙女との関係がもどかしい!!

主人公である先輩は、奥手であるため、黒髪の乙女に恋をしながらも、自分の想いを伝えることができません。

物語内では、ちょこちょこふたりが出会うシーンがあります。(それは当然で先輩は黒髪の乙女をおいかけているんですから・・・)

でもいつも「奇遇ですね」というだけで、まるで何の進展もありません。

実はふたりが重なるけれど、ゴールの密な関係(つまり付き合うとか、恋人関係になるとか)に発展しないからこそ、『夜は短し歩けよ乙女』が面白かったりするんです。

なぜなら、

このように「もどかしい!」と思えるからこそ小説が面白くなってるんです。

黒髪の乙女がとても魅力的!

『夜は短し歩けよ乙女』が魅力的な小説に仕上がっているのは、なんといっても『黒髪の乙女』の存在が大きいです!

まじでちょっと大丈夫か?ってと思えるほど天然で、浮世離れしてくるほど前向きな性格です。

人を疑うことをしらないし、誰とでもお近づきになり、すぐ心を許してしまう。

僕はもし自分の知り合いに彼女のような人物がいたら、結構心配してしまいます。

でも、彼女の心の純情さが確実にまわりに登場人物を集め、彼女を中心に次々と事件が起こります。

つまり、『黒髪の乙女』こそ『夜は短し歩けよ乙女』という物語を動かしている原動力になっており、そして彼女をストーキング?している主人公の先輩はそんな彼女の災いに巻き込まれている図式にもなります。

“おともだちパンチ”が面白い

“おともだちパンチ”とは黒髪の乙女の必殺技です。

具体的には“おともだちパンチ”は親指を、それ以外の4本の指で内側にまげてくるみ、招き猫のような形にした手で繰り出す愛のあるパンチ。

しかしここで、いったんその拳を解いて、親指をほかの四本の指でくるみ込むように握りなおしてみよう。こうすると、男っぽいごつごつとした拳が、一転して自身なさげな、まるで招き猫の手のような愛らしさを湛える。こんな拳ではちゃんちゃら可笑しくて、満腔の憎しみを拳にこめることができようはずもない。かくして暴力の連鎖は未然に防がれ、世界に調和がもたらされ、我々は今少しだけ美しきものを保ちえる。

「親指をひっそりと内に隠して、堅く握ろうにも握られない。そのそっとひそませる親指こそが愛なのです」

実は“おともだちパンチ”とは姉から伝授された秘伝の技です

「よろしいですか。女たるもの、のべつまくなし鉄拳をふるってはいけません。けれどもこの広い世の中、聖人君子などはほんの一握り、残るは腐れ外道かド阿呆か、そうでなければ腐れ外道でありかつド阿呆です。ですから、ふるいたくない鉄拳を敢えてふるわなければならぬ時もある。そんなときは私の教えたおともだちパンチをお使いなさい。堅く握った拳には愛がないけれども、おともだちパンチには愛がある。愛に満ちたおともだちパンチを駆使して優雅に世を渡ってこそ、美しく調和のある人生が開けるのです」

この言葉が姉から受け継がれています。なんかかっこいいですよね。

小説『夜は短し歩けよ乙女』のここが気になる!を解決します

それでは『夜は短し歩けよ乙女』の概要を含めて、ご紹介しましょう。

『夜は短し歩けよ乙女』はベストセラー!

『夜は短し歩けよ乙女』は累計売上130万部を超えるベストセラー作品です。

いまでも作品の根強いファンがいて、まだまだ人気のある作品です。

『夜は短し歩けよ乙女』は賞も受賞しています

『夜は短し歩けよ乙女』は売る上げ的にはベストセラーをとってますが、それ以外にも

・第20回山本周五郎受賞

・第137回直木賞候補

・2007年本屋大賞第2位

という輝かしい記録をのこしています。

『夜は短し歩けよ』の舞台は?

『夜は短し歩けよ乙女』の舞台は京都です。

そして作品内では京都の実在する町が頻出します。

小説の先輩が通っている大学は京都大学だともいわれており、出てくる地名や通りは大学周辺がメインになります。

小説『夜は短し歩けよ乙女』の表紙のイラストは誰がかいた?

表紙のイラストは、中村佑介さんというイラストレーターさんです。

中村佑介さんのイラストの特徴は現代っぽくてポップなのに、どこか昔・レトロを感じさせるところにあります。

このように中村佑介さんのイラストがめちゃくちゃ好きな人が世の中にはたくさんいます。

なかには『夜は短し歩けよ乙女』を手にとった理由が、表紙に描かれた不思議な雰囲気と魅力をまもったイラストだという人もいるのではないでしょうか。

『夜は短し歩けよ乙女』は2017年にはアニメ化されました

2017年には小説をアニメーション映画化してました。

監督は『クレヨンしんちゃん』や『ちびまるこちゃん』で有名な湯浅政明さん。

主題歌はあの有名な ASIAN KUNG-FU GENERATIONが担当しています。

小説『夜は短し歩けよ乙女』の名言集

「出版された本は人に買われる。やがて手放され、次なる人の手に渡る時に、本はふたたび生きることになる。本はそうやって幾度でも蘇り、人と人をつないでいく。」

『夜は短し歩けよ乙女』はもしかしたら、好き嫌いがはっきりするかもしれません。

物語的には、なにも難しくない、いけてない男子大学生とマイペースな後輩女性との恋愛模様を、それぞれの視点で切り取って、交互に描かれている。

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この記事を書いた人

読書好きブロガー。とくに夏目漱石が大好き!休日に関連本を読んだりしてふかよみを続けてます。
当ブログでは“ワタクシ的生を充実させる”という目的達成のために、書くを生活の中心に据え(=書くのライフスタイル化)、アウトプットを通じた学びと知識の定着化を目指しています。テーマは読書や映画、小説の書き方、サウナ、アロマです。

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