「記憶に残らない、理解できない読書」は今日で卒業!【 “本質”的な読み方5つの視点】

本を読んでいるはずなのに、読み終えたころには内容がぼんやり…。
結局、何が重要だったのか分からないままページだけが進んでいく――そんな読書体験に心当たりはありませんか?

情報量の多い本や、抽象的な内容を扱う本ほど、「本質」がどこにあるのかを見失いがちです。
でもそれは、みなさんの理解力や集中力の問題というよりも、「読む視点」がちょっとズレているだけ、というのが僕の主張。

この記事では、どんな本にも応用できる「本質を見抜くための5つの視点」をわかりやすく紹介します。
読みながら“何が大事か”を自分で見極められるようになれば、読書はもっと深く、もっと楽しくなるはずです。

目次

本質を掴むには「読む視点」を変えればいい

重要なのは、「どの部分を深く読むべきか」「著者が一番伝えたいことは何か」という読み取るための“視点”を持って読むことです。
そのために有効なのが、次に紹介する「5つの視点」。これらは、どんな本にも応用できるシンプルな原則なので応用ができます。

本質を見抜くための5つの視点

① まず、著者の主張に目を向ける

読書中、最初に注目すべきなのは「この章(あるいは段落)で、著者が何を伝えたいのか」です。
つまり、主張=この章の中心となるメッセージを見つけることです。

著者はしばしば、「つまり」「要するに」「結論として」「主張するところは」といった言葉のあとに、重要な考えをまとめています。
また、章の冒頭や末尾にはその章の目的やまとめが置かれていることが多いため、特に注意して読むとよいでしょう。

必ずやってほしいこととしては、各章ごとに「この章で、著者は一番何を言いたかったのか?」と問いかけること。そうしないと、本をただ読んでいくだけの作業になってしまいます。

問いかけ例
「この章で、著者は一番何を言いたかったのか?」

ペンちゃん

「で、結局なにが言いたいの?」を探してみよう。
本っていろんなことが書いてあるけど、著者が一番伝えたい“核”が必ずあるよ。
それをつかむだけで、その章の読みやすさも、印象の残り方も全然違ってくる。


② 説明の流れ(構造)をたどる【主張 → 理由 → 具体例

本には、主張を支えるための説明や例がたくさん出てきますが、それらを「全部大事」と思ってしまうと、どこが核心なのか分からなくなってしまいます。
大切なのは、主張 → 理由 → 具体例という構造を意識してみること。

たとえば、「なぜそう言えるのか?」「この例は、何の説明のために出てきたのか?」と考えながら読むと、自然と本質的な部分が浮き上がってきます。

【問いかけ例!】

「この説明は、どの主張を支えているのか?」
「この事例は、何を証明するために出てきたのか?」

ペンちゃん

話の流れを意識すると、内容がつながってくる。「主張→理由→具体例」って流れで話が進んでることが多いんだよね。
この順番を意識して読めば、「なんかモヤッとする」がだんだん減ってくるよ。


③ 同じ言葉や考えが繰り返されていないかを探す

著者が本当に伝えたいことは、形を変えて何度も出てくることがあります。

キーワードや重要な比喩、強調された言い回しなど、繰り返される表現に注目してみてください。
何度も登場するということは、それだけ大切にされているということ。繰り返しが多い部分ほど、著者にとっての“核”である可能性が高いのです。

【アンテナをはろう!】
「この言葉(概念)、他のところでも何度か出てきた気がする…?」

ペンちゃん

よく出てくる言葉って、著者の“推し”かもしれない。
何度も出てくるキーワードや言い回しって、それだけ大事にしてる証拠。
「またこの言葉だ」って気づいたら、それはたぶん要チェックポイント。


④ 話が切り替わる瞬間に注意する

読書中に「しかし」「一方で」「ここで注意すべきは」といった言葉が出てきたら、そこが話の転換点です。
こうした場所では、新しい視点が提示されたり、著者が特に強調したいことが出てきたりします。つまり、「話の流れをわざわざ切り替えてでも言いたいこと」が出てくるので、そうした箇所はとくに注意深く読む価値があります。

「ここで言い直しているのは、なぜだろう?」
「この逆説にはどんな意味がある?」

ペンちゃん

「しかし」「一方で」「ここで注意すべきは」にこそ、大事なことがある。
話の流れが変わるところって、著者が強調したい部分だったり、違う視点を出してきたりする。
「お、この感じ変わったな」って思ったら、一度立ち止まって読んでみるといいかも。


⑤ 自分の関心や問いと照らし合わせる

著者にとっての「重要な点」と、自分にとっての「大事なポイント」は必ずしも一致しません。
だからこそ、読む前に「自分は何を知りたいのか?」という問いを持ち、それと照らし合わせながら読むことが大切です。
「この章は、自分の問いにどう答えてくれているだろう?」という視点をもつと、ただ情報を追う読書から、自分の中に“残る読書”へと変わっていきます。

ペンちゃん

自分の関心・問いと向き合いながら読むことで、初めて「自分にとっての本質」が見えてくるよ!著者の話をただ聞くだけじゃなくて、「自分が何を知りたくて読んでるのか」とセットで読むと、見え方がまるっきり変わるよ。

読書時のチェックリスト

たかりょー

読書している時にい活用できるチェックリストをご用意しました。Notionでもいいし、紙のノートでもいいのでまとめながら読んでいくとしっかりと読書ができるようになるよ。

1. 著者の主張をつかんでいるか?

  • 「つまり」「要するに」「主張するところは」といった言葉のあとに注目したか?この章・この段落で、著者が一番言いたいことは何か?
  • 引用文のポイント整理してみる

【実例】利己的な遺伝子第1章【人はなぜいるのか?】

この章・この段落で、著者が一番言いたいことは何か?
→人間を含むあらゆる動物は、遺伝子によって創られた“生存機械”である。その機械の設計者である「遺伝子」は、競争の激しい自然選択の世界で生き延びてきた。そこでは*もっとも成功する特質は「非情な利己主義」である。

引用文のポイント整理

この本の主張するところは、われわれおよびその他のあらゆる動物が遺伝子によって創りだされた機械にほかならないというものである。

→ ドーキンスの「生存機械」論。人間という存在を、遺伝子を運ぶ手段にすぎないと定義。

(気づきがあれば余白にメモ)
「利己的=自分勝手な性格」ではなく、「コピー数を最大化する戦略」という意味であること?


2. 話の構造をたどれているか?

  • この説明や事例は、どの主張を支えるために出てきたか?
  • 「主張 → 根拠 → 具体例」の流れを追って読めているか?

この説明や事例は、どの主張を支えるために出てきたか?
 → 「ギャングに例えられた遺伝子」「競争の激しい進化環境」は、遺伝子の利己性を印象づける比喩。

「主張 → 根拠 → 具体例」の流れを追って読めているか?
 → ドーキンスはまず主張をし、次に例え(ギャング)、最後に自然淘汰の理論につなげている。

🖊️ (どの例が印象的だったか?)
「シカゴのギャング」が進化論と繋がるのは衝撃的だが、論理的に納得できる。


3. くり返されるキーワード・表現に注目できているか?

  • 何度も登場する用語や比喩はないか?
  • それは著者が繰り返し伝えようとしている「核」ではないか?

引っかかった言葉や表現
 → 「群淘汰」「利己主義・利他主義の生物学を研究すること」「自然淘汰」「生存機械」などが繰り返し登場。

それは著者が繰り返し伝えようとしている“核”ではないか?
 → まさに、進化の主体が“遺伝子”であることが核。

🖊️ (繰り返し出てきた語句・印象)
「生存機械」という比喩が強烈。人間も“誰かの道具”だという発想。


4. 話の転換点を見逃していないか?

  • 「しかし」「一方で」「ここで重要なのは」など、流れが変わる箇所を意識したか?
  • その変化にどんな意味があったか、気づいたか?
  • 「しかし」「一方で」「ここで重要なのは」など、流れが変わる箇所を意識したか?
     → 「しかし、利己的遺伝子が利他的行動を生み出すこともある」=転換点。
  • その変化にどんな意味があったか、気づいたか?
     → 一見矛盾する利他行動も、“遺伝子の自己利益”の戦略として説明できる布石。

🖊️ (転換点と、その意図)


5. 自分の問いと結びつけながら読めているか?

  • この章は、自分が知りたかったことにどう答えてくれたか?
  • 自分の関心とどうつながったか?

この章は、自分が知りたかったことにどう答えてくれたか?
 → 「なぜ利他行動が進化で生き残るのか?」の答えの入口になった。

自分の関心とどうつながったか?
 → 生物学的な視点から「人間とは何か」を考えるヒントになる。

🖊️ (自分の問い → 本文からの答え)

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この記事を書いた人

読書好きブロガー。とくに夏目漱石が大好き!休日に関連本を読んだりしてふかよみを続けてます。
当ブログでは“ワタクシ的生を充実させる”という目的達成のために、書くを生活の中心に据え(=書くのライフスタイル化)、アウトプットを通じた学びと知識の定着化を目指しています。テーマは読書や映画、小説の書き方、サウナ、アロマです。

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