映画『オーバー・フェンス』のあらすじ・ネタバレまとめ【登場人物も詳しく解説】

▼この記事はこんな内容が書かれています。
1.映画『オーバー・フェンス』の詳細なあらすじ・ネタバレ結末
2.映画『オーバー・フェンス』のキャスト紹介
たかりょー
こんにちは、シネコンスタッフ歴5年・年間100作以上映画をみている、ちょ〜映画好きのたかりょーです。

『オーバー・フェンス』は 2016年に公開されたラブロマンス・ヒューマン映画です。

北海道を舞台に、世間からずれた男女の赤裸々な恋愛を描いた物語です。

淡々とした表情の裏に暗い過去と心の闇を隠した白岩。

感情の歯止めが利かず、周囲から浮いているサトシ。

彼らの恋愛は激しく、複雑で、忖度は一切なく傷つけあう時もあります。

しかし、心を素直に伝えあう二人が反発しあいながらも惹かれあう様子は、見ている人の心を強く打つに違いありません。

オーバー・フェンスの簡単あらすじを紹介!

白岩義男は、東京での勤めを辞め、離婚して故郷の北海道に戻ってきました。

職業訓練学校で建築(大工)の勉強をするものの、単調で味気ない日々を過ごしていました。

そんな時、感情の起伏が激しい女性 聡(サトシ)と出会います。

何もなかったかのように淡々と暮らしていた白岩の心をサトシは辛らつな言葉で傷つけ翻弄し、二人は反発しながらも惹かれあいます。

そして、白岩は目を背けていた自分の心の闇や過去と向き合ってゆくのでした。

オーバー・フェンスのあらすじ・ネタバレ詳細

あらすじ・ネタバレ01【義男とサトシの出会い】

函館職業技術訓練学校で建築の勉強をしている白岩義男の毎日は単調でした。

学校が終わる自転車で帰り、途中で弁当とビール2本購入、誰もいない部屋に帰り、テレビを見ながら弁当を食べて合間にビールを飲む、の繰り返しです。

ある日の帰り道、食堂の前に止まっている車から怒鳴りながら降りてくる女を見かけます。

「子供への愛情はちゃんと言葉で伝えないと!」

「口には出さなくても、ちゃんと大学まで出してやるっていう愛情が・・・」

「は?それは義務!愛情と義務をすり替えるの反則でしょう」

まくしたてる女の剣幕に相手の男もたじろいでいました。そのうち女は

「ダチョウだってもっと愛情表現するよ!」と全身でダチョウを模した求愛ダンスを始めます。

白岩がその様子を見つめていると、視線に気づいた女は徐に立ち上がって食堂に入ってしまいました。

次の日、授業中に職業訓練校の教官 青木がいつも動作が鈍い森に、ノミがさびていると説教を始めました。

教官はいつも「道具は大工の命。自分が現場に出ていた時は・・・」と、昔話がてらに道具の大切さを語っていました。

家に帰った白岩は特にやる事もなく、砥石を取り出し道具の手入れを始めました。

その時、義理の弟が訪ねてきました。

彼は執拗に食事に誘ってきましたが、白岩は断り続けます。

そこに白岩の父親も同席しており、森林局への就職をごり押しされることは目に見ていたからです。

困惑気味の義弟に「俺はいなかったって言っといてよ」と言い残して、白岩は自転車でその場から立ち去ってしまいました。

あらすじ・ネタバレ02【職業訓練校 建築科】

職業訓練校 建築科には年齢も経験も様々な人間が集まってきていました。

年金をもらいながらも、自分の家を建てる事が目標の勝間田。

東京で長くハイヤーの運転手をやっていた 原。

オフィス備品のレンタル営業をやっていたという 代島。

大学を中退した青年森。

白岩も以前は東京のゼネコンに勤めていましたが「色々あって」辞めて故郷の北海道に戻ったのです。

授業中、教官の青山がまた森に「大学出は不器用だな」と難癖をつけ始めます。

中卒の島田を引き合いに出していびり、不満げな森の顔も無視していました。

休憩時間、白岩は再び代島から飲みに誘われ、断り切れずについてゆく事にします。

あらすじ・ネタバレ03【サトシとの再開】

代島の友達がやっているというキャバクラに行った白岩は、そこで先日見かけた女に再会します。

また鳥の鳴き真似をしていた女「田村聡(サトシ)」は、代島と知り合いでした。

代島は白岩がサトシを気に入ったと思ったのか、彼女を読んで横に座らせ、友達が新しく出す店を一緒に経営してみないかと持ち掛けてきました。飲食店の経営などしたことのない白岩は面食らって断りますが、代島は諦めきれない様子でした。

結局、白岩ははっきりとは返事をしませんでした。

店を出る間際、代島は白岩に「ここの女、やれる子ばっかりですよ」と耳打ちして去って行きました。

その直後、サトシが店から出てきて白岩を家まで送ると言い出しました。

白岩は「これは飲酒運転ではないのか?」と危ぶみましたが、サトシは気にせず、車を走らせました。

一旦、白岩は家に送ってもらいます。

白岩が車から降りると、サトシは名残惜しそうに話しかけてきました。しかし、白岩は気にせず「お休み」と笑ってドアを閉めました。

部屋に入った白岩は、まだ荷ほどきしていなかった荷物の中から手紙を出して読み始めます。

それは義理の父からの手紙で、娘(白岩の元嫁)に対する冷たい態度を非難し、娘と孫は新しい人生を始めさせるので今後一切の連絡をしないよう書かれていました。

読み終えた白岩はシンクで手紙を焼き捨てます。そして、まだサトシが外にいる事に気付き「やっぱり、ビールを買いたい」と一種に買いに行ってくれるように頼みました。

近所のドラッグストアに付いた時、ふと先日の事を思い出した白岩がダチョウの求愛について尋ねると、サトシはいきなり店の前でダンスを始め、終わると突然無表情になって「ゴメン、タクシーで帰ってくれる」
と車に乗って帰ってしまいました。

翌日、代島はあの後サトシとどうなったか聞いてきました。そして、ただ家に送ってもらっただけで終わったと知って驚いていました。昨日、サトシが声を掛けてきたのは代島の差し金ではないかと思った白岩は「こんな営業のやり方、止めろよ」と言いますが、代島はキョトンとした表情をするだけでした。

授業の後、代島は「またあの店に行きましょう。サトシも会いたがってます」と誘ってきましたが、代島は断りました。

代島は「サトシ、昼間は函館公園の遊園地でアルバイトしてます。本当に会いたがってましたから、せめてそっちに行ってやってください」と言い残していきました。

あらすじ・ネタバレ04【サトシとの喧嘩・その目で見られるとゴミになった気がする

休みの日、白岩は函館公園にやってきました。

サトシは公園内になる観覧車の係員をしていました。

白岩が代島に言われて来たと知ると「言われたから来たの?」と面白くなさそうな顔をしていましたが、白岩が「俺も会いたかったから来た」と言うと少し嬉しそうな顔になりました。

その夜、二人で鳥の檻を見ていた時、求愛の仕草の話になりました。「ハクチョウはこう、ダチョウはこう・・・」と全身で求愛ダンスを再現している内にサトシは踊りだし、白岩はそれに暫し見とれていました。

すると突然、園内の鳥たちが一斉に鳴き始め、空から大量の羽毛が雪の様に降ってきました。

二人は白岩の自転車に乗り、ときどき羽毛を風に乗せて振りまきながらサトシの家に向かいました。

実家の離れに住んでいるサトシは、家族の目を気にしてあまり音をたてないように白岩に言ってから、彼を迎え入れました。

家に入って、暫く二人は缶ビールを片手に話していましたが、サトシが急にソワソワしだして部屋を出て行ってしまいました。そして、台所で薬を飲んだ後「こうしないと、腐ってしまう気がして・・・」と裸になって体を洗い始めました。

そして、体をふき終わったサトシは白岩に抱き着き、二人は体を重ねました。

暫く後、白岩の横で寝ていたサトシが急に起き上がり

「本当は結婚してるんでしょう?離婚したなら、何でまだ指輪をしてるの?」

と聞いてきました。白岩は本当に離婚したと言いましたが、納得してくれません。問い詰める声はだんだん大きくなり、泣き叫び始めたので、しぶしぶ白岩は離婚した理由を話し出しました。

白岩の子供が産まれて半年ほどした頃、仕事で遅くなる日が続きました。

ある日、夜遅く帰宅した白岩は、妻が子供の顔に枕を押し付けているところを見てしまったのです。

「俺が悪かったんだろうな・・・」

と呟いた白岩に対し、サトシは「そんなの当たり前だよ。あんたのせいで奥さんの頭がおかしくなったんだ」と言ってきました。

さらにサトシは興奮しだし「アンタは人の事を見下した目をしている。その目で見られるとゴミになった気がする」と物を投げつけて暴れだし、遂には「会うんじゃなかった。二度と、お店にも顔を見せないで」と白岩を家から追い出してしまいました。

あらすじ・ネタバレ05【サトシとの喧嘩=その目で見られるとゴミになった気がする

数日後、白岩は同期生の原と島田から居酒屋に呼び出されます。

そこには原、島田の他に若い女の子2人もいました。

「この子が40代の人とも付き合えるって言ったから、白岩さんを呼んだんだ」と原は言いましたが、島田と若い女の子二人は本気じゃなかったと笑いだしました。

何となく馬鹿にされたような気になった白岩は「今の内にせいぜい笑ってな。どうせすぐ、ただ仕事して寝るだけの無意味な人生を送るようになる」と怒りを露にしだしました。

場の雰囲気は最悪になり、気を利かせた原が白岩を外に連れ出しました。

次の日の朝、白岩は原の家で目を覚ましました。そして、腹の妻と息子(大河)と共に朝食をごちそうになっている最中、急に大河がふざけて原のシャツをめくり上げました。

チラリと見えた原の背中には、一面に刺青は入っていました。

「俺、昔は何にも考えてなくてメチャクチャやってたんです」訓練校に向かう為に一緒に路面電車に乗っている時、原が身の上話を始めました。

原は若い頃に道を踏み外しそうになりましたが、思い直して足を洗い、東京でハイヤーの運転手をしていました。

しかし、一生は続けられないと思い、妻の実家の北海道に引っ越して整備士を目指していました。しかし、職業訓練校の整備課は定員オーバーで、建築科に回されてしまったのです。

「いやぁ、当てが外れました」

原は屈託ない笑顔を浮かべました。白岩もつられて笑い、やがて話は学校で行われる科対抗のソフトボール大会の事になりました。

「カミさんも子供も、結構楽しみにしてるんですよ」

「じゃぁ、負けられないですね」

昨夜のモヤモヤを吹き飛ばすように、二人は笑い合いました。

あらすじ・ネタバレ06【サトシ、あやまる

そして、ソフトボール大会の日か近づいてきました。

練習にも熱が入りだしますが、青山教官や島田は相変わらず森をバカにするような態度を取り続けていました。

練習が終わり、大会のスタメンが発表されました。勝間田さえメンバー入りしたというのに、森は呼ばれませんでした。

島田は薄ら笑いを浮かべ、教官に「森は選ばれても迷惑だろう。当日はゆっくり休んでろ」と言われた途端、森はこれまでため込んだ鬱憤が爆発し。大工道具を教官に投げつけ暴れだしました。殴りかかった島田をノミで刺そうとしますが原に取り押さえられ、森は泣きながら連れ出されてゆきました。

その日の夜、白岩は勝間田や原たちと飲んで遅く帰ってきました。

家の前にサトシが座り込んで待っていました。「ごめんなさい・・・」と謝るサトシの声にかぶせるように

「元嫁に、また会う事にした」と白岩が告げると、サトシはぎこちなく笑って「同伴して」と頼んできました。

店に行った白岩がカウンターで飲んでいると代島がやってきました。そして、サトシを見つめている白岩の視線に気付くと、おもむろに

「サトシ、頭がおかしいですよ」
「こいつ、ただのやりマンですよ。そういう女だって分かって、本気で付き合ってます?」

と聞いてきました。

イヤな空気を振り切るように、サトシはBGMを大音量にしてもらい、鳥になり切って踊りだしました。

あらすじ・ネタバレ07【白岩、元妻との久しぶりに会う

数日後、白岩は元嫁 洋子と待ち合わせて遊覧船にのりました。

洋子から子供に近況を聞いたりしている内に思い出話になりますが

「あの頃、私の事を要らないって思ってたでしょう」

「私には(接し方が)普通じゃなかった」と時折イヤな言葉が挟み込まれ、居心地の悪さを感じていました。やがて遊覧船から降りた時

「これからも連絡取り合わない?子供のことも伝えたいし」と言われ、急に涙が止まらなくなります。

慌てて洋子に介抱される白岩。

そして、少し離れた車の中からその姿を見ている者―サトシがいました。

家に帰ったサトシは、一心不乱に全身を拭き続けていました。

数日後、サトシと連絡がとれない白岩は、ソフトボール大会を見に来て欲しいと伝えに函館公園に直接会いに来ました。しかし、サトシは無表情のままで呟きました。

「奥さんと会ってるところ見た。あたしは他人、二人は家族だって思った」

唖然とする白岩を尻目に淡々と遊具を操作していたサトシでしたが、突然「奥さんに謝れ!」と叫んで走り出し、園中の鳥を次々と逃がし出しました。白岩が抱き留めて捕まえようとしますが

「私の事、何にもわかってないくせに!」

と叫んで何処かへ走り去ってしまいました。

休日明け、訓練校での授業が始まる直前、青山教官が「森は退学する事になった。人生、辛い時を耐えなきゃいけない時もある。みんなは頑張るように」と、自分には何も責任がなかったかのような言い方をしました。その物言いに腹を立てた勝間田が

「一つ教えてやる。学校の外には色んな人間がいるんだ。それを覚えとかないと、同じ目にあうぞ」と言いましたが、青山教官は貴重なお話、ありがとうございました」と上っ面ばかりののお礼を言うだけで、皆から陰で苦笑されていました。

授業の後、白岩は一人部屋で聡に電話をしました。

自分がいなくなったことで洋子が元気になっていたと感じ、白岩は初めて、やはり自分が洋子をおかしくした元凶だったと心底理解したこと。

そして、自分がぶっ壊れていると言ったサトシより、ぶっ壊す側の白岩自身の方がひどいと思う事、など気持ちを正直に話しました。

サトシは電話の向こうでただ無言で聞いているだけでした。

白岩のところへ義弟がやってきました。

白岩はアパートの前で、傘をバットの代わりに素振りをしながら「今度の日曜、ソフトボール大会の後でオヤジと会うことにした」と告げました。

あらすじ・ネタバレ08【ソフトボール当日

ソフトボール大会の当日になりました。原は妻と大河が応援に来ていました。

代島と島田は、試合後の合コンを想像してニヤけ通しです。

勝間田は孫を連れてきて「孫いたんですか?!孤独死系かと思ってました」と皆に驚かれていました。

白岩は観衆の中にサトシを探しましたが、見当たりませんでした。

やがて、整備課との試合が始まりました。

試合は4回表、7対0と白岩たち建築科が押される中、白岩がバッターボックスに立ちました。

その時、フェンスの向こうに赤い車が止まり、サトシが降り立ちます。そして。バッターボックスの白岩に満面の笑みで手を振りました。一気に気合の入った白岩は、サトシの笑顔に答えるように力いっぱいバット振り、場外ホームランを打ったのでした。

オーバー・フェンスの主要キャラクター

白岩義男(演:オダギリジョー)

元は東京のゼネコンで会社員をしていた。今は無職で、職業訓練校で大工の技術を学んでいる。
普段は穏やかで、周囲からも「ちゃんとした人」と言われる事が多い。バツイチで子供がいる。

田村聡<サトシ>(演:蒼井優)

昼は函館公園の係員バイト、夜はキャバクラのホステスをしている。
感情の起伏が激しく、気持ちを鳥の動きでダンスの様に表現する事がある。周りを気にしないので、周囲からは奇異な人間として見られる事も多い(薬を飲んでいるシーンもあるので、精神疾患を抱えている可能性あり)。一見穏やかな白岩の心の闇を辛らつな言葉でえぐり出す事も多い。

代島和久(演:松田翔太)

白岩の同級生。大工を目指す訳ではなく、友人のキャバクラの経営をしようと考えている。都合の悪い時はとぼけて逃れようとする

森由人(演:満島真之介)

大学を中退し、訓練校にやって来た青年。万事動作が緩慢で教官や同級生に目を付けられてしまう。

原浩一郎 (演:北村有起哉)

白岩の同級生で元ハイヤーの運転手。妻と息子(大河)がいる。
昔は極道で、背中一面に彫り物がある

島田晃(演:松澤匠)

白岩の同級生。中学を卒業して以来働いて来たので、大学中退の森を目の敵にしている。

勝間田憲一(演:鈴木常吉)

自分で家を建ててみたいと訓練校にやってきた老人。飄々とした性格でムービーメーカー。過去にも色々な仕事を経験し、含蓄の深い事を言う。

オーバー・フェンスまとめ

鳥の求愛ダンスを全身で再現し、一瞬で感情が切り替わる女性を演じた蒼井優さんの演技力・没頭ぶりは凄まじささえ感じました。

オダギリジョーさん演じる、普段は穏やかで稀に感情的になる白岩とは対照的で、お互いを高め合っている気がしました。

彼らの周囲の人々も印象的でした。

飄々としている勝間田からは、熟成された人生が染み出す大人のカッコよさを感じました。

親切そうな顔で近寄って来る代島の野心とズルさ、島田の森に対する嫉妬心、家族想いの原の優しさと隠された過去、「俺が現場にいた頃の~」が口癖の青山は、教官のくせに器が小さく、登場人物の中で一番愚かに見えたのも面白かったです。

場面の殆どは職業訓練校、昼間の動物園や公園など、昼間に仕事をしている人がいないところが多かったように思います。それが、社会から少し外れた「オーバーフェンス」な人々の生きる世界を象徴している様にも思えました。

赤裸々で、痛々しくて、生々しく、奇異に思えるけれど、でも重荷を捨てて何処か自由で、清々しさも感じる人間模様と恋愛でした。

時々、とても激しく痛々しいシーンもありましたが、心に深く残り、また見たくなる作品でした。

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